老後2000万円不足問題の騒ぎは収まらずにおかしな方向に話が展開していますね。
麻生氏は報告書を受け取らないと発言しましたが、2000万円問題だけで51ページに及ぶレポート「高齢社会における資産形成・管理」を無意味だから読まずに破り捨てると言っている訳です。
それも学者やら金融関係者やらを集めたワーキンググループに無駄な仕事をさせたことになり、麻生氏が税金を無駄遣いし自らドブに捨てることになり大問題だと思いますけどね。
そもそもこの報告書は老後に2000万円不足するとドヤ顔で訴えることが目的ではない。
51ページの報告書の中で2000万円不足に言及したのは2度だけ。
16ページ目「不足額約5万円が毎月発生する場合には、20 年で約 1,300 万円、30 年で約 2,000 万円の取崩しが必要になる」
21ページ目「夫 65 歳以上、妻 60 歳以上の夫婦のみの無職の世帯では毎月の不足額の平均は約5万円であり、まだ 20〜30 年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で 1,300 万円〜2,000 万円になる」
その後に続けて「不足額は各々の収入・支出の状況やライフスタイル等によって大きく異なる。当然不足しない場合もありうるが・・・」
と誤解を与えないように補足もしているし、どう見てもこの問題がレポートの主題ではない。
つまり、このレポートに大きな問題がある訳ではなく、そこから(1300万円も示しているのに最大値の)2000万円不足だけを抜き出して舌足らずにメディアを通じ国民に訴えた麻生氏の説明に問題があるだけ。
問題の張本人がレポートに責任転嫁して受け取らなければ済む問題ではない!
火消しの為に総理も不正確で誤解を与えたとか、金融庁局長も配慮を欠きお詫びすると謝罪させられたりとか必死ですが、目を逸らしても事実も現実も実態も何ら変わることはありません。
政治家、役人、メディア、国民の全方位に問題があり、日本では面倒な事実に向き合った対処することは極めて困難であり、昭和・平成から令和になってもそう簡単に変われそうにはありませんね。
麻生氏がレポートを破ってゴミ箱に捨てるのは構わないし、選挙へのパフォーマンスとしてメディアの前でやってみせればいいと思いますが(笑)、2000万円問題以外の報告書98%成分まで葬られるのは問題ですね。
例えば、報告書の中ではNISAに関して以下のような提言もなされています。
「つみたて NISA については、まずもって国民が長期のライフプランに沿った資産形成に安心して活用できるよう、時限を撤廃し、恒久的な措置とすることが強く望まれる」
「より利便性の高い制度を構築するため、
非課税保有期間について無期限とすること、
ライフプランに沿って拠出額を柔軟に変更させることができるようにすること、
現在は回転売買防止の観点などから認められていないスイッチングを条件次第で可能とすること、
その他、例えば配偶者死亡時において NISA の非課税枠を引き継げるようにすること
なども、検討していくべき課題であるとの指摘があった」
検討した結果の却下は構いませんが、2000万円問題だけでこれらの提言も一緒にゴミ箱に捨てるのは間違いですね。
金融担当相を含め日本中のいくつになっても幼稚な人達に迎合していると老後の不足額がますます増えるので、令和新時代には政治家・役人・メディア・国民の全方位で現実から目を逸らさずに大人の議論が為されるようになるといいですね!?
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posted by 韋駄天太助 at 11:39
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