2020年01月26日

くりっく株365は金利と決済期限の改悪後も手動ロールオーバーで「長期運用」可能か!?

くりっく株365は現行商品が2021年3月(予定)に上場廃止されるので、それ以降は建玉を持ち越すことは出来ません。
代わりに1年に1度だけリセット(最終決済)が必須となる新商品が上場されますが、数年に及ぶ「長期保有」は不可能となります。

これは対象株価指数と取引価格の乖離を解消するための措置と説明されていますが。何年も建玉を「長期保有」されても東京金融取引所とブローカーにとっては一銭のカネも落ちないので、年に1回はカネが落ちる仕組みに変えたかったという動機もあるのかなと邪推します!?

既に乖離解消の措置は施されていて、2017年12月からは適用金利が円金利から当該国の外貨金利へ変更されました。
この変更により、どの指数でも保有に伴い発生する金利コストはほぼゼロ円か無視できるほど小さい円金利が適用されるという夢の世界だったものが、特に米国などは長期保有に伴う金利コストは無視できないレベルになりました。
更に今回の変更により、約1年に1回は決済が必要となり手数料が発生するだけではなく損益が確定して益であれば税金も発生するので、ダブルパンチで「くりっく株365でのほぼノーコスト長期保有」という知る人ぞ知る運用方法は絶滅することになりそうです。

そうは言っても、腐っても「くりっく株365」!(褒めてるんですよ!?)
この強烈な2大改悪があっても氷河期を生き延びて生存する方法があるかも知れない!
但し、年1回損益が確定して課税があることを受け入れて手動でロールオーバーすれば、「長期保有」は無理でも疑似「長期運用」は超低コストで可能かも知れないので検証してみましょう!

<試算方法>
2019年の配当・金利実績は公表されているのでそのまま流用します。(取引価格は2019年末値)
売買コストはスプレッド+手数料ですが今後は手動ロールオーバーすると年1で発生します。
手数料は往復300円として、スプレッドは2019年11月実績で日経225が7.1円、NYダウ9.5円と公表されているので丸めて日経225:7円、NYダウ:10円とします。
DAXとFTSE100は広めだから公開したくないのか公開実績がないので(笑)、ザックリ眺めた感覚でDAX:20円、FTSE:40円のスプレッドとします。
(例:日経225の売買コスト1000円=スプレッドコスト700円+手数料300円)
Netは配当金相当額から金利相当額と売買コストを差し引いた値ですが、1年間の保有で発生する値として想定できます。
(各指数の上昇下落による損益は一定ではなく予想不能だが、Netの値は大きくブレので受け取り・支払い額は想定可能)

一覧表にするとこうなります。
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posted by 韋駄天太助 at 23:03 | Comment(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月20日

MAXIS全世界・米国株式ETFは二重課税調整かつマーケットメイク銘柄で順調な滑り出し?

低コストETFのMAIXS全世界株式(2559)・米国株式(2558)が1月9日から東証に上場されましたが滑り出しはどんな感じなのでしょう?

●出来高
ばらつきはありますが、6営業日でザックリ
2558米国 :1500万円から6000万円
2559全世界:800万円から4400万円
因みにスパイダーのS&P500ETF(1557)はこの間に最低でも9900万円程度の出来高はあるので及んではいませんが、いきなり上回るのもサプライズなので新規上場としては問題なく順調でしょう。

●マーケットメイク銘柄で低スプレッド!
2銘柄ともにマーケットメイク銘柄に指定されたので、板が薄くなりスプレッドが大きく開くこともありません。
1万円前後の値段に対して板が厚い時にはスプレッドが全く開かず(=売りと買いの差は10円)、全世界の方は30円まで開く時もあることは確認しました。
全ての時間でチェックしてないので更に開くこともあるでしょうが、スプレッド率は0.1%から0.3%程度だと考えられるので極めて良好でしょう。
2559全世界の方が日によっては出来高少なく不安に思えても、メイカーが常に売りと買いに気配値を出しているので、売り買いしたくても板が薄くて値が飛びすぎて困るという状況を然程心配する必要はないと思います。

●乖離率
1月17日の終値と同日に開示された基準価額を比べると、
2558米国 :+0.49%
2559全世界:+0.73%
で、取引価格が基準価額を若干上回っていますが問題視するほど乖離している訳ではありません。
今後更に縮むと良いですが、外国株なので例えば前日に米国市場が終了してからもドル円レートは常に変化するし、時間外でも米国先物の価格は変動します。
これらが国内ETFの市場価格にどのように反映されているのか詳しくありませんが、日経のように基準価額にピタリと一致することはないと思います。
長いスパンで見て、常に上方か下方へ乖離しっ放しであれば連動性に問題ありという判断が出来ると思います。要継続ウォッチ。

●二重課税調整制度の対象銘柄(の可能性が高い)!
前回のエントリーで対象となるかは確認必要と書きましたが、既にJPXのホームページで対象のリストに入っていました。(該当PDF↓)
https://www.jpx.co.jp/learning/basics/tax/tvdivq00000170tw-att/nlsgeu000004gjxm.pdf
でも、このリストは昨年12月23.日時点で「二重課税調整制度の対象となる可能性の高いETF・REIT」の一覧です!?
おいおい、「可能性の高い」ってどういうことですか?
私の対象予想よりどの程度信頼できる情報なのかわかりませんが(笑)、一応JPXでも2558米国と2559全世界は外国税額控除(二重課税自動調整)して貰えるおトクな国内ETFである(可能性が高い)と言っています!

ということで、低コストのMAXIS両ETFは良い条件にも恵まれて順調な滑り出しで始まったと言えると思います。
投資家も様子見ばかりではなく、出来高増に貢献することで三菱UFJ国際投信もそれなら新興国インデックスもETF版を出そうかとラインナップを増やしてそれがまた国内ETFの盛り上がりに繋がるという好循環に繋がるので、興味を持った方は自己責任で是非!?

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posted by 韋駄天太助 at 12:14 | Comment(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月14日

二重課税調整制度の有利さは三重課税を一重にするMAXIS全世界株式ETFで考えてみる!?

MAXISの米国株式(2558)と全世界株式(2559)が東証に9日から上場されましたが、私は先週お話しした外国税額の二重課税調整制度の開始に合わせて三菱UFJ国際投信が投入して来たのではないかと考えています。

何故なら、ETFの方がこの制度を活用できて税制上有利になるから!?
わかり易い比較が出来るので、全世界株式ETFを例に有利さを説明してみます。

キーポイントは、国内ETFなら三重課税問題をナッシングにして一重課税にしてしまうマジック!
全世界株式に投資する商品として、米国ETFのVT、インデックス投信のeMAXIS slim全世界株式、国内ETFのMAXIS全世界株式ETF(2559)で税引き後分配金がどう変わるかを比較します。

話を単純化するために(あり得ないけど)3商品ともに分配率が2%で各国の分配率は等しく、国別構成比は米国比率50%でその他は外国税額の掛からない国が10%で残り40%の国々は10%の外国税額が発生し、日本での源泉所得税率は地方税も含めて20%と単純化して前提を置きます。

●米国ETF:VTの場合
米国では10%の外国税額が掛かりますが、第三国で掛かった場合でも控除されずに米国で再度10%課税は行われるので、最終的に日本でも源泉課税されて「三重課税」という問題が発生します。
税引き後分配金=2%x0.9x(50%+40%x0.9+10%)x0.8
=2%(分配金)x86.4%(1-平均外国税額率)x0.8(1-国内課税率)=1.38%

米国ETFなので「確定申告をすることにより」米国課税分は一部または全てを控除することが出来ますが、第三国分については控除不可能です。
米国課税分を取り戻せる場合は、2%(分配金)x96%(1-米国課税除く第三国課税分)x0.8(国内課税)=1.536%

●インデックス投信:slim全世界株式の場合
配当金は必ず発生する訳ですが、運用サイドが無分配のままであれば外国税額控除は一切されずに基準価額の上昇(から差し引く)として反映されます。
また、この投信の場合は米国経由ではないので三重課税は発生しません。

税引き後分配金=2%x(50%x0.9+40%x0.9+10%)x0.8
=2%(分配金)x91.0%(1-平均外国税額率)=1.82%
がファンドの基準価額上昇に反映されるが、投資家への分配は行われず国内課税分(20%)は利益確定時の未来まで繰り延べされる。

●国内ETF:MAXIS全世界株式(2559)の場合
確認は必要ですが、国内籍で外国現物株運用のETFなので二重課税調整制度の対象になると思われます。
また、ここがミソなのですが米国も経由しないので三重課税問題は発生せず日本と各国間の外国税額のみ発生はしますが、これらはほぼほぼ自動で国内源泉所得税から控除されるので計算上は発生しない(=所得税から控除される額と同等)とみなせます。

税引き後分配金=2%(分配金)x0.8(国内課税)=1.6%
米国ETFと比べると税引き後分配利回りは0.22%高くなるので、0.01%の信託報酬差を血眼になって気にしている人には22倍ほど無視できないメリットのはず!?

確定申告で米国課税分は取り戻せた場合でも、三重課税が発生せずほぼ外国税額分を全額取り戻せる国内ETFの方が0.064%高くなります!
鼻で笑う差だと思われるかも知れませんが、これは両者の年間信託報酬に匹敵する規模になるので、第三国の外国税額を控除できるか否かの違いだけで海外ETFに投資することは分配金で国内ETFに年間信託報酬の規模で損をするということです!(粗々の試算であることには注意)

海外ETFでも確定申告で全く取り戻せないケースでは0.22%で約3年間の信託報酬に相当する差がある訳ですから、国内ETFと比べて如何に不利になるかがわかります。

逆に言えば、外国税額の二重課税調整制度は国内ETFにだけ圧倒的に有利なのです!
海外ETFなら三重課税問題だが(申告すれば人によっては二重課税に出来るかも)、新制度により「誰に対しても」国内ETFならなんと一重課税に負けてくれるのです!?

インデックス投信なら国内課税をせずに繰り延べるので単年の税率(外国税額のみ)だけなら一見有利に見えますが、見えないところで外国税額をフルに取られつつ取り戻すことは不可能で未来のどこかでは国内課税が発生する訳ですから一概に有利とは言えません。

これがコペルニクス的転回の一例です。
外国税額を取り戻して分配金を多く貰いたいなら、海外ETFより国内ETF!

将来的な利回りも、無分配のインデックス投信(毎年見えないところで外国税額を払う)が国内ETF(外国税額はほぼ取り戻せるが毎年分配金に国内課税された後に再投資)を上回るかは前提や期間によって有利不利は異なるようです。

外国税額の自動調整制度が出来たからと言って、投資家によって希望や有利不利は異なるし投信で無分配の方針を簡単に変えることは出来ない。
従って、三菱UFJ国際投信はこの制度をフルに享受でき投資家の選択で選んで貰えるように、slimインデックスのETF版である全世界株式(2559)と米国S&P(2558)を20年の1月早々に投入して来たと読みます。

それなら、この有利さを運用サイドもアピールすべきなんですがまだまだ情報が少なく、ハッキリしたこと(本当に2559を買えば三重課税が一重になり自動で外国税額控除が為されるのか?等)は断定できません。
また、追々書いていきます。
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2020年01月06日

2020年から始まる二重課税自動調整制度(外国税額控除の変更)はコペルニクス的転回となるか!?

2020年から投資信託等で徴収された外国所得税の二重課税調整措置(外国税額控除の自動適用)が既に1月1日から開始されています!?
何を言ってるかわからないと思いますが、投資家にとって非常に重要な制度変更であると推察されものの充分な情報がなくあまり周知されていないように思われます。

投資家サイドでこの制度変更を完璧に理解している人がいるのでしょうか?
そういう私も現状理解し切れていませんし、掘り下げるのは追々にして今後訂正・撤回もありえるという前提で表面的な理解をザックリと書いてみます。

外国株式等に投資する場合には配当金に外国側で一定率(例:米国なら10%)の徴税が行われて差し引かれた後に日本側で源泉徴収課税(20.315%)が行われて二重課税されていることは多くの人が理解していると思います。
制度変更前の昨年までは確定申告を行うことにより限度額の範囲内で外国所得税額を所得税から差し引くこと(外国税額控除)で取り戻すことが出来ました。

これが2020年1月1日以降に支払われる分配金から源泉徴収される際に国税から外国所得税を差し引いて支払われるので確定申告せずとも自動で外国税額控除が行われるように制度変更されました!(でも条件付きが沢山なので注意!)
あー、確定申告の手間が省けるようになるのねってそんな単純な話ではなく絶大なメリットがある!

●貧乏人でもほぼ全額外国所得税を取り戻せるかも?
二重課税を調整することが目的なので確定申告では納める所得税の範囲かつ面倒な計算方法で上限が決められてしまい所得税をかなり払ってる人でなければ全額を外国税額控除で取り戻すことは出来ません。
でも、源泉徴収で差し引く場合はあなた個人の総所得や所得税なんて知る由もないので一律の条件を適用するしかありません。

そこで、源泉徴収で自動調整する場合は地方税(5%)からは差し引けないが所得税(15.315%)を上限として差し引ける仕組みになっているので外国所得税率が10%程度なら丸々控除されます!(説明を少し端折っています)
また、控除の適用を受けるために分配金を確定申告することによって総所得が増えてしまい支障が出る心配もありません。
つまり、(貧乏人ほど)自分で申告するより自動調整した後に分配して貰った方が得になる人やケースが多い!

●外国税額控除の対象が公募投信等にも拡大!
昨年までは確定申告で私募投資信託、ETF・J-REIT・JDR(株式比例配分方式以外)についてのみ外国税額控除が可能でした。
今年からは公募投資信託、ETF・J-REIT・JDR(株式比例配分方式)についても二重課税調整が可能となり、かつ自動で手間なくやってくれます。
(個別株については対象に含まれていませんが、自動調整の対象外ではあっても従来通りに確定申告での外国税額控除は可能で制度変更にはなっていないだけだと思われます。海外ETFについても同様の扱いと思われます!)

日本証券業協会の資料によると、二重課税調整措置の対象となるのは
〇外国資産に投資を行い、そこから生じた利益をもとに投資家に分配金を支払っている投資信託等
〇NISA口座で保有している場合は、国税分は非課税となり、二重課税状態にはならないので対象外!

つまり、分配しない限り外国税額控除は行われないので無分配が多いインデックス投信は制度変更による外国税額控除のメリットは一切ありません!
従来通り、外国所得税は取られ損、払い損のままで取り戻す術は一切ありません!
分配される場合のみ国税から自動調整の外国税額控除により取られた外国所得税はほぼほぼ取り戻すことが出来そうです。

おっと、これは無分配で税金の支払いをずっと繰り延べる方が確実に利回りが良くなるという思考停止、もとい金科玉条(あんまり変わらん!)、強く信じられて来た定説が外国税額控除2020年バージョンによりコペルニクス的転回を迎えるのでしょうか!?
今回の制度変更は利益をもとに投資家に分配金を払わなければならない外国株連動の国内上場ETFにとっては追い風になり、従来は100%取り戻すことは難しかった人やケースでも外国所得税をほぼほぼ取り戻せることになりそうです。

この制度変更は投資家の側にも商品選択に大きな影響を及ぼすし、投資信託運用側の分配方針にも影響を与えるかも知れません。
かなり大雑把で表面的にザックリと書きましたが、掘り下げると複雑で詳細不明で大変なんですよ(笑)

また追々書いていくつもりですが、2020年から始まった外国税額控除の制度変更(二重課税の自動調整措置)は投資家なら絶対押さえておかなければならないポイントで、投資方針を大きく揺るがすコペルニクス的転回となるかも知れません!?
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posted by 韋駄天太助 at 00:20 | Comment(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする