2021年03月29日

百度が香港に重複上場で中国IT大手3社揃い踏み!米国制裁が香港市場を強くし利する!?

米ナスダック市場に上場する中国本土のネット検索最大手である百度(バイドゥ)が香港に重複上場を検討と伝えられていましたが、香港取引所が上場を承認しました。(却下する訳がないのですけど)

上場による調達資金をAIや自動運転への投資に充てるとしていますが、重複上場の最大目的は米国の制裁により米国市場から締め出される若しくは投資しにくくなるリスクを避けるためであることは明らかです。
一時は百度がナスダック上場廃止を検討とも伝えられていました。

百度がナスダックに上場したのが2005年ですからもう15年以上米国市場で取引されて来た訳です。
アリババのナスダック上場が2014年で香港重複上場が2019年
JDドットコム(京東)のナスダック上場が2014年で香港重複上場が2020年

二年前はこれらの中国IT大手に投資したければ香港ではなく米国市場にアクセスする必要がありましたが次々と香港に重複上場しています。
最初から香港で上場してナスダックでは取引できないテンセントと合わせてアリババ・百度の中国本土IT大手3社が香港市場に揃うことになります。

iFreeNEXT FANG+インデックスという投信があり、米国上場10企業を投資対象としていますがアリババと百度の中国2社だけが米国8社に交じっています。
テンセントが含まれないのは米国上場していないという理由だけであり「インデックス」としては歪な指数なんですね。
逆に言えば、アリババや百度が上場していない香港市場の株価指数も歪であり中国本土の全体を表す株価指数としては欠けていたとも言えます。

米国の制裁のおかげで香港市場に続々と集結しているし、この動きは今後も続くでしょう。
今米国から制裁を受けているスマホメーカー大手の小米(シャオミ)は2018年にナスダックではなく香港に新規上場しましたが、米中摩擦が激しくなければナスダックを上場先に選んでいたのかも知れないし、現状を見ると香港上場は正しい選択だったのかも知れません。

結果として米国による中国企業制裁や締め出しは、世界の有望IT企業を引き寄せるナスダック市場を弱めて、中国及び香港市場を利して強くする逆効果となりかねませんね。
香港市場のハンセン中国企業株指数にテンセントだけが含まれてアリババや百度が含まれていなかったことが「指数」としては歪で欠けていたのですが、重複上場でも単独でも中国IT企業の香港回帰は歓迎ですね。

逆に言えば、感情的な理由で中国が好きでないから中国企業も避けて、領土問題で全く関係のない中国本土内のユニクロ店舗を破壊している人達と同族のあまり変わらないメンタリティーで米国企業だからとNASDAQに投資して溜飲を下げたつもりで、アリババや百度を買い上げて満足していたつもりの人達にも今後はその目的が果たせるようになるかも知れませんね!?

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posted by 韋駄天太助 at 12:07 | Comment(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月22日

SBI証券が楽天対抗で低コストファンド26銘柄の投信マイレージ付与率を4月から引き上げ!

SBI証券が低コストファンド26銘柄の投信マイレージ付与率を4月から引き上げると発表しました。
現行で0.01%から0.03%の付与率を最大0.02%引き上げて信託報酬の販売会社取り分をほぼ全てポイント還元することになるようです。
26銘柄にはeMAXIS Slimの6本、ニッセイの3本、SBIの雪だるま3本とバンガード1本、たわら2本、楽天バンガード8本等が含まれます。

(銘柄や付与率の詳細はリンクのPDFを参照下さい↓)
https://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/info/home/irpress/prestory210315_011500.pdf

さて、SBI証券は何故このような利益ゼロの慈善事業を行うのでしょうか?
明らかに楽天証券への対抗ですね。

楽天証券のハッピープログラムでは投資信託の残高10万円ごとに4ポイントが付与されます。
年率では0.048%の付与になりSBI証券の通常1%付与には劣るものの、楽天証券にとって逆ザヤになろうが低コストファンドにも一律0.048%が付与されるのでSBI証券0.03%以下の銘柄では有利でした。

おそらく今回の26銘柄を中心に低コストファンドでは楽天証券で購入・保有する投資家が多くてSBI証券は苦戦していたのでしょう。
故に楽天のように報酬以上の支払いまでは出来ないものの、報酬を全て還元に回してまでも対抗した方がトータルでは利益になると判断したのでしょう。
これに絡めて4月1日から移管元での出庫手数料もSBI証券が負担する「投信お引越しキャンペーン」を行うようです。

私はこのリリースを見て低コストファンドの付与率アップそれ自体よりも、SBI証券が「投信マイレージサービス」の廃止はもちろんのこと改悪も当面はないと推測できることの方が良いニュースでしたね!?
SBI証券のマイレージ通常0.1%(最大0.2%)還元は楽天証券も及ばず業界内でも圧倒しています。
いつまでも高還元付与は続かないとサービス存続や大幅改悪を危ぶむ声もありますが、現競争下では他社に移られてしまうような改悪を簡単には出来ないでしょう。

三井住友カードと組んで積立決済でポイント付与と合わせて、楽天証券の投信サービスにおける強みに対抗して奪われた客を奪い返しつつ、楽天バンガードもウチで買えば0.5%付与で楽天より(0.002%の誤差だけど)お得ですよと攻勢に出たのでしょう、
楽天証券の対抗措置(多分ないと思うが楽天にとっても逆ザヤ解消目的の付与率改悪が更にやりにくくなった)とネット証券トップ2社以外の対応にも今後注目ですね。
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posted by 韋駄天太助 at 11:24 | Comment(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月15日

MAXISナスダック100上場投信は信託報酬税抜0.2%で東証版QQQとなれるか?

三菱UFJ国際投信の
「MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(為替ヘッジあり)(2630)」、

「MAXISナスダック100上場投信(2631)」、
「MAXISナスダック100上場投信(為替ヘッジあり)(2632)」
が2月25日に東証に上場しました。

為替ヘッジありのS&P500連動は既に上場している為替ヘッジなし版(2558)と同信託報酬で年率0.0858%(税抜 年率0.078%)です。
新設のNASDAQ100連動はなんと信託報酬年率0.22%(税抜 年率0.20%)で国内最安となります。

投信版のeMAXIS NASDAQ100インデックスは1月29日に設定されていたので、投信で設定してから同一対象のETFに移植して東証上場させるという三菱UFJ国際投信の方針が明確になったようにも思います。
S&P500もオールカントリーもSlimシリーズからの移植であり東証ETFでも本家米国ETFにも負けてない低コストになった訳ですが、今回のNASDAQ100はFatもとい本家eMAXISシリーズに加えられて信託報酬も税込0.44%と目を引くものではありませんでした。

ところが、MAXISのETFではあの本家有名米国ETFのQQQ経費率0.20%と税抜信託報酬では並ぶ超低コストの設定となりました。
(そこで並んだから何なのかって話はありますが、本家に大きく引けを取らない低コストになりそうなことは確か。)

大手ネット証券では国内ETFなら取引手数料無料でかつ貸株サービスで0.1%の金利が付くことが多いので、本家QQQと東証MAXIS(2631)はどちらがトータルで低コストとなるのか興味深いですね。
(楽天証券では現状で2631と2632に貸株金利0.4%設定なので信託報酬を賄って0.2%近いお釣りが来る水準ですが、新規設定のサービスで長くは続かず金利0.1%に落ち着くでしょう。)

MAIXSは東証のSlimシリーズ版とも言える低コストETFを揃えて来ています。
しっかりした運用をやってくれれば、貸株金利付きの取引コストゼロ円で国内の証券取引所でS&P500とオールカントリーを年間報酬約0.09%、NASDAQ100を約0.2%でホールドできるのだから米国ETFなんて高コストで無駄だ!
と多くの本邦投資家に思わせて欲しいものです。

外国税額の二重課税調整制度があることも国内ETFには有利です。
今後もMAXISシリーズの低廉なラインナップ拡充と東証ETFの海外ETFに負けない盛り上がりに期待します!

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posted by 韋駄天太助 at 12:00 | Comment(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月08日

くりっく株365で建玉を似非長期運用するなら手動ロールオーバーの期限が迫る!

私が定期的に推しているくりっく株365ですが、提供条件の変更により「決済期限のない」現行商品の上場廃止に伴う「決済期限」が迫っています。
日経225は3月11日(木)で海外指数は3月18日(木)が最終取引日になります。

代わりに1年に1度のリセット付き商品が上場していますが、これらは21年12月に最終決済を迎えるため、以降は建玉を維持する場合年1回の乗り換えが必要になります。
くりっく株365の利点の1つは金利コストが安いので長期で建玉を保持できることでした。
店頭CFDなら金利に2-3%を業者の取り分として上乗せするので長期保有には向きません。

くりっく株365の日経225なら2016年2月に金利コストが発生して以来丸5年間1円たりとも取られていないという素晴らしい商品性があります。
この指数は日経225に連動して投信のような信託報酬もその他コストも掛からず配当相当額も貰える訳だから丸5年ホールドしていれば保有コストなんてゼロですから夢のような商品でした。
(掛かるコストは売買時のスプレッドと手数料だけでどんな低コストのインデックス投信にも負けなかった!?)

今後は年1回のリセットが必要になるのでくりっく株365でこのような運用は出来なくなります。
(手数料が落ちずに儲からない長期保有を塞がれたという見方もできますが?)
売買コストが年1回必ず発生することよりも、年1回損益が必ず確定するデメリットの方が大きいでしょうね。

日経平均を3万円とした場合に1枚持つと建玉は300万円で売買コストが往復で0.1%でも3千円ですから、年1回の乗り換えコストを0.1%に抑えるのは難しくなさそう。
ということは、金利コストがゼロなら年間0.1%程度のコストで保有し続けることは可能。

海外指数は日経ほど金利コストも絶対的なゼロとはなりませんが低金利の好環境にあります。
月次だとブレも小さくないのですがリセット付き新商品の1月金利相当額を建玉1枚価格で割ると、ザックリで年間推定金利コストはNYダウ0.56%・独DAX0.04%・英FTSE0.53%程度になります。
建玉を長期保有しても痛くはないレベルと収まっていると言えそうです。

これを機に投資家の中でもくりっく株365の利用を止める判断をした人も少なくないと思いますが、それは儲からない業者側も同様でマネックス証券は既に新規口座受付を停止して新商品は上場させずに旧商品が決済期限を迎えればサービスが完全終了です。
これで大手・準大手と言えるネット証券でくりっく株365を取り扱うのはSBI証券・auカブコム証券・岡三オンライン証券程度でしょうか?

それでもSBI証券などは独自のくりっく株365スマホアプリをリリースしたり手数料還元キャンペーンを行ったりと積極姿勢を示しているように見えます。
全員決済要で大量の乗り換え需要が発生する2-3月で手数料ゼロにすれば他社から客を引っこ抜けるからね。

種々の問題や改善点はありますが商品性にはまだ魅力があるので、くりっく株365が発展していけるように取引も盛り上がって欲しいですね。
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posted by 韋駄天太助 at 13:42 | Comment(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月01日

日本でARK社の米国ETFを買えないならeMAXIS Neo買えばええやん(他人事)!?

米国ではキャシー・ウッド女史が率いるアーク・インベストメント・マネジメントのETFが人気で資金流入が続きハイテク中心のバブル化に貢献して来たのかも知れませんが、先週の軟調相場では記録的な資金流出に見舞われたそうです。
見舞われたというより、自らが相場の波乱要因になりかねない規模になって来たのでしょう。

主力はテーマ型のアクティブ運用ETFですね。
メインがARKK(ARK Innovation ETF)でテーマは「イノベーション」。
組み入れ1位がテスラで10%近くを占めています。

この他にも「自動運転・ロボティクス」「次世代インターネット」「ゲノム」「フィンテック」と時代を先取りしたテーマ型を揃えています。
とにかくテスラが大好きで「自動運転」は勿論ですが「次世代インターネット」でも組み入れ1位がテスラです!?(理屈はわかるけど)

これらの大人気米国ETFを日本の証券会社では買えないことを惜しむ声もありますが、経費率は0.75%以上掛かります。
確かに日本でこれらをアクティブファンドで出したら年間信託報酬2%前後でも人気を集めそうだし、ファンドマネージャーが分析して銘柄選択しているので経費率0.75%は高コストと言えないかも知れませんね。

でも、この経費率が許容範囲なら日本の投資信託でもARKに負けてないシリーズがあるかも!?
そうだ!我々にはジャパニーズeMAXISがあるじゃないか!Slimじゃねえよ!
「eMAXIS Neo」シリーズですよ!

AIによる銘柄自動選択のS&P Kensho指数に連動する「インデックス」ファンドシリーズで2019年から運用しています。
シリーズのラインナップは9本で「宇宙開発」「ロボット」「遺伝子工学」「バーチャルリアリティ」「ナノテクノロジー」「ドローン」「自動運転」「フィンテック」「ウェアラブル」です。
ARKのテーマに似ているというよりもっと多彩豊富で凌駕していますね。

Neoはアクティブ運用のARKとは異なり「立派な」インデックスファンドなのでコストも抑えられて信託報酬0.79%(税込)です。
インデックスとしては高めですが、同テーマのアクティブ型米国ETFの経費率とは同レベルです。

ARKのETF運用残高は2020年の1年間で10倍以上(32億ドル→350億ドル)に増えたそうですが、1ドル100円換算だと3兆5千億円程度でしょうか!?
一方、eMAIXS Neoシリーズは2020年末で資産残高200億円を突破しました!
が、資産規模はARKの1%以下ですね。

ARKのETFを買う人はキャシー女史を中心とした銘柄選定(と言ってもテスラ・Tesla・てすら)や運用力を評価しているのかも知れませんが、これらのテーマを買いたいだけなら人を使わずAI使いコストを抑えたインデックス運用のeMAXIS Neoでもいいんじゃないですかね?
私が然程eMAXIS Neoに関心ある訳ではないのですが、日本でARKを買えないと嘆かなくても類似商品は同程度のコストで買えますよと他人事で思った次第です!?
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posted by 韋駄天太助 at 11:33 | Comment(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする