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2021年11月29日

ブラックなフライデーのオミクロンショックと急落を先導する日経平均の脆弱さ!?

先週金曜日の急落は南アフリカで新たなコロナ変異株が発見され世界的に広がりかねないと懸念されたことが主要因です。
週末にWTOがこの変異株をオミクロン株と名付けましたが、株式市場の急落も「オミクロンショック」と命名されたでしょうか?

米国は感謝祭の金曜日に市場はある意味ブラックなフライデーとなった訳ですが、この急落が1日限りとは限らないし、そうかも知れないし、わかれば苦労しませんね。
急落の過程で気になったのが日経平均の脆弱さ。

米国市場が前日休場だったこともあったのか、オミクロンショックは金曜日の東京時間から始まりました。
寄付きは29324円なので前日比175円程度の下落から始まり何の変哲もない日常風景でした。
しかし、その後は無抵抗に右肩下がりを続けて13時台に場中安値28605円(前日比約900円安)を付けてから若干戻したものの28751円(前日比約750円安)で引けました。
確かにダウ先物も下げていたのですが、ダウ先物が0.5%の下落なら日経は1%下げ、1%の下落なら2%下げるといった具合に我先にと悲観して急落して行きました!?

いやちょっと待てよ、ニッポンと日経平均!
オミクロンはまだ日本では感染が確認されていない。
寒さも増して世界ではオミクロン関係なくコロナが再拡大している国が多いのに、現状の日本は大変な優等生で感染を抑え込んでいる。
なんでニッポンが南アの変異コロナに世界中で一番怯えて日経平均が真っ先に暴落してんねん?

と、ファンダメンタルズでは説明し切れない下落が必然となる日経平均の悲しいサガがあるのも確かでしょう!?
アジア時間で市場の悲観材料が急速に大きくなると海外の投資家も取り敢えずアクセスし易い東京市場で流動性も高い日経平均先物を大量に売り建てます。
これを日本の現物株に対するヘッジだけではなく、欧米や新興国も含めた全世界株式の買いポジションに対して当座で日経平均先物を売り建てて急落に備えるので、現物の日経平均が説明しがたい暴落に見舞われることになります。

今回は米国が前日休場で金曜日も半日取引だったので更に東京時間での日経売り建てによるリスクヘッジが増えて暴落に繋がったという説明は出来ます。
以前ならこれにリスク回避の円買いによる日経平均の下げも加わって来ましたが、今回も1円程度の下げでまだ113円台だから為替はあまり影響しなくなってますね。

しかしながら、日経平均は今年28000円から30000円のレンジで推移し米国やドイツのような右肩上がり上昇相場とはなっていません。
今年日経が上昇しない理由として挙げられたのが政治や行政の差によるワクチン接種率の低さでした。
確かにワクチンが開発されて、米欧で接種が始まり、感染率が下がる過程に同期して欧米株はグイグイと上昇して来たと思います。
日本は接種が遅れましたが今では接種率も劣らないし感染を抑え込んでいるのに、株価は一向に上がらず欧米に劣後したままで南ア新型コロナが既に入り込んでる欧州や感染再拡大中の米国よりも悲観して真っ先に下落していくっておかしいだろ!

金曜日は結果的に欧米時間でも更に悲観が拡がり下落率が日経平均に追いつきましたが、日経平均は更に連動して下げ続けただけて先物は28155円で引けました。
東京時間から更に600円程度下げた訳で欧米現物株のヘッジで取り敢えず日経平均先物を売り建てた層は欧米株の売りポジションに切り替える筈で日経平均先物には買い戻しが入り欧米より下落がマイルドになると思うのですが?

日経平均は上がってないけどショックをきっかけにファンダメンタルズの様々な面から未来にあまり期待できない国の株から真っ先に売られたという見方も出来ないでしょうか?
金曜のビビり下げだけを見ても、国民性と世界に劣後し続ける日本の現状を日経平均が表しているように見えてしまいます。

週明けはパニック的下げが収まり先週末の先物清算値よりは上昇して始まりましたが、定量化できない(見えない)オミクロンみたいなリスクが拡がると底が抜けるような下げ方をすることはコロナ第一波で経験済みですね。
あの頃は先週金曜のような下げが連日続いて止まらなくなりましたが、市場はとにかく「わからないこと」に怯えます。
今回はあくまでコロナ変異種であるオミクロンの影響をもう少し冷静に定量化できて、世界のリーダーも民衆も市場も学習していると期待したいですね。
(個人的にはもっともっと下げてくれて全然構わないけど、それは経済以外にも世界がまた混乱する未来を意味するので・・。)
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posted by 韋駄天太助 at 11:20 | Comment(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月21日

楽天証券が2021年第二四半期で投信販売が業界首位に!SBI証券の牙城を崩し始めた?

楽天証券が2021年7月−9月の投資信託販売額において対面を含む主要10社の中で首位になったようです!
積立金額ベースではなく販売額でのトップです!
ネット証券の中でSBIを抑えて1位ではなく対面の野村證券をも上回っての業界トップです!

依然として金融資産が大きめの中高年が主要顧客である対面証券に預かり資産残高の規模ではまだまだ敵わないと思われますが、対面証券による顧客への短期的な投信回転売買推奨もやりにくくなって対面の新規販売額が落ち込んだことも楽天を首位に押し上げた一因のようです。
確かなことはネット証券の雄であるSBI証券を投信販売額ベースで2021年第二四半期に上回りネット証券のトップに立ったという事実!

SBI証券も独自の投信マイレージサービスにより最大還元率0.2%でポイント付与を行い、投信においても人気で支持されているネット証券です。
今年4月からは楽天証券のポイント付与率0.048%に対抗するため、低信託報酬のファンドについては信託報酬の販売会社受取分全額を還元する(=どれだけ売っても利益ゼロのはず)ポイント付与率アップも行っています。

楽天証券も8月からは一律0.48%だった還元率を改善と改悪を交えて上下に幅を広げしましたが、改悪により還元率が下がったファンドは10銘柄に留まりました。
楽天のポイント変更は8月からですが、約1900銘柄については還元アップする改善を含んでいるので販売額にはプラスに寄与したかも知れません。
SBIの楽天対抗ポイント付与率変更があまり功を奏していない結果が楽天の第二四半期における投信販売首位なのかも知れません。

また、楽天証券の投信販売額を押し上げた最大の要因と思われる楽天カード積立に対抗したSBIの三井住友カード積立が6月30日に開始されましたが、まだ立ち上がりでSBI証券の販売額押し上げに寄与せず更に差を拡げられた可能性があります。
しかしながら、三井住友のレギュラーカードで0.5%の還元では楽天カード1%還元を規模で上回れる筈もなく期待していた層からは落胆されているケースも多く、今後もSBIのクレカ積立が楽天から奪い返す武器になるとも思えません。

口座開設数でネット証券の雄SBI証券に迫って来た楽天証券がその強固で高かった牙城を崩し始めたサインがSBI証券を抑えての投信販売首位かも知れません。
両社はプレスリリースでも互いを意識して業界トップをアピールして来ました。
SBI証券は3月22日に600万口座達成をリリースしましたが、同時に資産残高と株式売買代金でもネット証券首位であることを誇っています。

楽天証券は5月19日に600万口座達成をリリースし、SBIに猛追し抜きにかかっていることをアピールしています。
楽天証券が1月8日に預かり資産10兆円突破をリリースすると、SBIが6月末で20兆円突破を公表。
(6月末で楽天は13兆円弱だが、両社共に連携している銀行預金残高を含む数字と思われるので参考程度)

今後も両社がしのぎを削って健全な首位争いをすることが顧客にとっての利便性向上やコスト低下に繋がると思うので、SBI証券の尻に火をつける楽天証券の更なる追い上げを期待します!
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posted by 韋駄天太助 at 22:11 | Comment(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月15日

来年から確定申告で住民税における配当所得等の「申告不要制度」を「申告」できる!?

平成29年度の税制改正により、上場株式等に係る配当所得および株式譲渡所得について所得税と住民税に異なる課税方式を選択できるようになりました。
自分にとって節税となる方式を選択すれば良いのですが、実際は住民税のみ「申告不要制度」を選択するケースが殆どだと思われます。

但し、この場合は市区町村に別途住民税の申告をして「申告不要制度」を選択することが必要でした。
確定申告(所得税)では株式配当および譲渡所得を「申告」したことにより何もしなければ住民税の計算にも確定申告情報が流用されることになるので、いいえ住民税では申告せずに既に源泉徴収で納付しているままとするので税額計算には含めないで下さいと「申告不要制度」を選択して別途「申告」する必要がありました。

市区町村によって提出書類もフォーマットも手続きもマチマチなのですが、納税者は二度手間でも節税になるなら別途書類を書いたり役所に足を運んで手間を掛けてやりますね。
でも、市区町村側にとっても(健康保険を含めた)税収をわざわざ減らしに来る手続きにかかる負荷が大きかったのでしょうね!?
税制改正により令和4年以降はこの手続きを確定申告の中だけで完結させて1秒(速い人なら0.1秒?)で終わるようになります!

【令和3年度の税制改正大綱】
個人住民税において、特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額に係る所得の全部について源泉分離課税(申告不要)とする場合に、原則として、確定申告書の提出のみで申告手続が完結できるよう、確定申告書における個人住民税に係る附記事項を追加する。
(注)上記の改正は、令和3年分以後の確定申告書を令和4年1月1日以後に提出する場合について適用する。

確定申告の様式が来年から変更されて「住民税に関する事項」で該当箇所にチェックを入れれば、所得税の申告とは異なる「申告不要制度」を選択して市区町村に申告できるようになります。
但し、注意点があります。

国税庁が今年7月に公表した確定申告様式案では項目名が「特定配当等・ 特定株式等譲渡所得の全部の申告不要」とされ、この下欄に〇を付けると申告不要を申告できます。
逆に言えば、これ以外の申告は出来ないので「全部」ではなく「一部」だけに「申告不要制度」を適用することに対応しないのは勿論のこと、譲渡所得は確定申告同様に申告したいが配当所得だけに「申告不要制度」を適用することも不可と思われます。

確定申告書上で〇を付ければ配当も譲渡所得も全額を住民税の課税対象から外す(既に源泉徴収で納付したままとする)ことは出来るようになると思われます。
多くの人はこの項目で事足りると思われますが、それ以外のこと(例:配当は申告不要で譲渡所得は確定申告と同じ課税方式)を申告したければ従来通りに別途市区町村に住民税の申告をする必要がありそうです。

e-Taxでも当然ワンクリックで「特定配当等・ 特定株式等譲渡所得の全部の申告不要」を選択できるようになると思われます。
せめて配当所得と譲渡所得は別々で選択できれば更に良かったと思いますが、まずは利便性向上と生産性なき市区町村の負荷軽減を歓迎したいですね。
尚、当方は税の専門家でも何でもなく一納税者の立場で理解したことを推測含めてツラツラ書いているだけなので、申告する際に必要なことは一次ソースや然るべき機関や立場に確認して対応下さい。

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posted by 韋駄天太助 at 11:17 | Comment(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月08日

マネックスが米国株提供の肝であるトレードステーションを米国上場で連日ストップ高!

マネックスグループが4日にネット証券子会社の米トレードステーショングループをニューヨーク証券取引所に上場させると発表しました!
これを受けてマネックスグループの株価は5日と週明けての8日も連続ストップ高で好感されています。

4日の終値が745円で8日は1045円のストップ高ですから凄い勢いです。
しかも明日以降もまだ上がって3営業日連続ストップ高の可能性までありますからね。

SPACを活用して来年上半期に上場させて、調達資金は販促やサービス開発に充て顧客基盤を拡げるとしています。
トレードワークステーションはプロ投資家を中心に約16万口座で預かり資産113億ドル、21年3月期の売上253億円、純利益25億円で上場後も引き続きマネックスの連結子会社となる。
米国内での規模は大きくありませんが、何と言っても親会社である日本のマネックス証券が手掛ける米国株サービスを支える子会社ですね。

ライバルであるSBI証券と楽天証券の米国株はインタラクティブ・ブローカーズ証券(以下IB証券)が取り次ぎしています。
SBIや楽天が顧客から徴収した売買手数料から常にIB証券が自らの利益を乗せて設定した卸料金が引かれる訳で、それ以下には絶対に下げられない制約になります。

一方、マネックスはトレードステーションの設定した卸料金が連結グループの中で完結する支払いと受け取りになるので消去されて(取引がないものと見做され)、米国株取引に掛かるコストはトレードステーション側で発生する米国取引所への支払い等軽微なコストだけとなり、極めて利益率の高いサービスとなっていることが想定されます。
このような形態で提供しているからこそ、恒久化はしていませんが買付時の為替手数料0銭を継続しても利益率の高い売買手数料だけでカバー出来ているのでしょう。

マネックスが2011年にトレードステーションを約4億ドルで買収しましたが、マネックス証券にも強みをもたらしてくれて大変良い買い物だったのではないでしょうか?
今後も米トレードステーションの米国内での地位向上と共に、マネックス証券が米国子会社を上手く利用して他社が真似できない多様で低廉なサービス提供を期待します!

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posted by 韋駄天太助 at 12:05 | Comment(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする