1つは3週間前に書いた「SOMPO123 先進国株式」ですが、12月21日から運用開始しています。
まだ4営業日なので何もわからないのですが、取り敢えずMSCIコクサイに連動して信託報酬のより高い(!?)eMAXIS slim先進国株式と騰落率を比べてみましょう。
先週末の基準価額はSOMPO123が10214なので4営業日で2.14%の上昇になります。
一方、slimは同期間で18,948から19,772への上昇なので4.3%の上昇になります。
MSCIコクサイの±2%を目指すのにeMAXIS slimに4営業日で2%超のビハインドでは好ましくありませんね。
直近日だけを取れば騰落率が0.8%と0.9%で0.1%差に縮まるのでファンド立ち上げ時の難しさで今後は解消されていくのかも知れません。
しかしながら、両者の年間信託報酬差は税込0.025%に過ぎず早めに通常運行できなければパフォーマンスを無視して微小なコスト差を気にするのが本末転倒になってしまいます。
SOMPO123は税込0.077%の信託報酬がSBI証券では販売会社取り分を全額ポイント還元0.022%で驚異の実質0.055%まで下がる激安ファンドなので、信頼できる運用を今後頑張って欲しいところです。
もう1つの注目は日興アセットマネジメントから登場した「グローバル2倍株ファンド(地球コンプリート)」です!
このファンドは愛称に「地球コンプリート」と付いているのですが、レバナスに対抗して愛称は「レバグロ」の方が良くないですか!?
グロの響きが良くないですが、日本や新興国を含む全世界株式にレバ2倍で投資するファンドです。
評価ポイントはレバ投信で信託報酬税込0.3993%(税抜0.363%)の低コスト!
例えばeMAXIS slim全世界株式の信託報酬は税込0.1144%なので単純にその2倍よりは高くなりますが、レバレッジ型で約0.4%の信託報酬は良心的な設定でしょう。
但し、このファンドは
実際にどのような金融商品を組み入れて運用するのか?
地域別や日本・新興国の構成比がどの程度になるのか?
をしっかり確認したいですね。
「主にETF(上場投資信託証券)や株価指数先物取引に係る権利などを通じて投資を行ないます。また、現物株式などに投資する場合もあります。」
「株価指数先物取引を積極的に活用し、信託財産の純資産総額の2倍相当額の投資を行ないます。
(株価指数先物取引の買建総額と現物資産の組入総額との合計額が、信託財産の純資産総額の2倍相当額となるように投資を行ないます。)」
交付目論見書からわかるのはこの程度であり具体的ではありません。
例えば、米国上場のレバレッジETFは概してコスト高なのでそのまま買い付けるような運用だとそのコストも間接的に負担する訳で0.4%未満に抑えた低信託報酬も意味がなくなるかも知れません。
実際にどんな商品を組み入れて全世界のレバ2倍とするのか運用を確認したいですね。
また、「1ヵ国への投資割合は、純資産総額比で100%程度を上限とします」とあり、レバ2倍の建玉(?)における投資割合では米国含めて1ヵ国最大50%の構成比が限界になると思われので、これも実際にどうなるかを確認したいところ。
eMAXIS slim全世界株式の月次レポート(11月)では米国の構成比が59.8%になっているので、国別構成比も異なると思われるレバグロを単純にMSCIオールカントリー・ワールド インデックスの2倍とも比較できません。
そうは言っても12月15日設定で現状はその程度の比較しかできないので、eMAXIS slimオルカンとの騰落率比較をしてみましょう!
グローバル2倍株ファンドは設定の7営業日後(先週末)に10,181まで1.81%上昇したのに対して、同期間のslimオルカンは2.55%の上昇でした。
@右肩上がりではなく下落の後に上昇したのでレバ2倍は1倍x2の数値より減価が生じるし、
Aレバグロの中身(構成比や商品)もわからずslimオルカンとは単純に比較し得るものではないが、
同じ全世界株式対象でレバ1倍にレバ2倍が上昇率で劣ってしまうようでは話にならず、こちらのファンドも設定後の立ち上げの難しさで軌道に乗れていない可能性が高いと思われます。
このように両ファンド共にしばらく様子見が無難と思われますが、二番煎じではなく特徴があり低コストの面白いファンドだと思うので今後もウォッチしたいですね。
