「イーストスプリング・インド・コア株式ファンド」(愛称:+αインド)
「イーストスプリング・ベトナム株式ファンド」(愛称:+αベトナム)
売りである低コストの信託報酬が一体いくらかと言うと、インドが0.9905%程度、ベトナムが0.989%程度なので、丸めて両者共に税込0.99%と覚えておけば良いでしょう。
えっ、全然安くないって?
高コストになりがちな新興国の中でも特に高いインドとベトナムへのアクティブ投信の範疇では激安と言っても良い信託報酬でしょう。
ベトナムへの投資手段はかなり限られますが、米国ETFのVNMが経費率0.61%(データ元により率が異なるのですがこれ前後)、香港上場のベトナムETF(03087)の経費率が0.85%であることからも日本で買えるベトナムのアクティブ投信が信託報酬0.99%は相当頑張っていると言えます。
実はインドもベトナムと同レベルかそれ以上に高くて、大手ネット証券で買付手数料無料対象に設定されている米国ETFの「ウィズダムツリー インド株収益ファンド」(EPI)の経費率は0.84%であり、香港市場の「iシェアーズS&P BSEセンセックス・インディア・インデックスETF」(02836)が0.64%です。
また、国内の東証に上場している「NEXT FUNDS インド株式指数・Nifty 50連動型上場投信」の信託報酬は税込1.045%(税抜0.95%)に設定されているので、+αインドの信託報酬は国内ETFを若干下回るレベルで頑張っています!
但し、+αインドの方は正式名称にインド・コア株式ファンドとある通りに「インドの内需成長を牽引する消費関連およびインフラ関連の株式を投資対象とする」運用方針を掲げているので、業種が限られていることには注意が必要です。
(一応2008年5月を起点としたパフォーマンスではSENSEX指数を上回っているようですが)
その他の費用として両ファンド共に売却時は信託財産留保額0.3%が掛かりますが中長期でホールドするなら負担になるコストではないでしょう。
当初の販売会社はSBI証券のみでの扱いとなるようですが、大手ネット証券ではどこでも買えるようにチャネルを早期に増やすことがファンドの成長にも繋がると思います。
本音を言えばワールドクラスの低コストで攻めて欲しいところですが、なかなか価格競争が起きずに新興国の中でも割高であるインド・ベトナム、かつETFではなくアクティブ投信の信託報酬0.99%はまず第一歩として評価したいと思います。
イーストスプリングの+αシリーズの第一弾であり、特に新興国と限定している訳でもないので今後の展開による低コストの追加ファンドにも期待します。
また、アクティブ投信より信託報酬の高いインデックスETFとなってしまったNEXT FUNDSインド(1678)を野村アセットが値下げ対応するとか、他の運用会社がより低コストなインドやベトナム等のETF・投信を設定する等の健全な価格競争も期待します!
本邦投資家がインドやベトナムへの単体投資を考えるなら、イーストスプリングの+αシリーズは有力な選択肢に入って来ると思います。(特にベトナム!)
