NISAのようにはマスコミが小さくすら報じてくれませんが投資家にとっては大きなニュースで、このままではおそらく多くの人が事後に出来なくなったことを知り唖然とするような改正があります!
約1年前の令和4年税制改正大綱公表後にも記事にしたのですが、この情報は令和4年末である今のタイミングで頭に入れて令和5年を迎えてからアクションを取る必要があると思われるのでリマインドします。
令和4年税制改正大綱から該当部分を抜粋します。
「個人住民税において、特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額に係る所得の課税方式を所得税と一致させることとする」
(注)上記の改正は、令和6年度分以降の個人住民税について適用するとともに、所要の経過措置を講ずる。
平成29年度の税制改正で「上場株式等に係る配当所得および株式譲渡所得について所得税と住民税に異なる課税方式を選択できる」ようになったばかりですが、たった数年間で塞がれて不一致は今後許さず元に戻すということです!
注記には令和6年度(2024年度)以降の個人住民税に適用とあるので、令和5年度(2023年度)取引対象の申告分から所得税と課税方式を一致させる必要があります。
つまり、令和4年度(2022年度)取引対象の令和5年度(2023年度)申告分が異なる課税方式を選択できる最終年度となり、取引ベースではもう後1週間も残っていません!
譲渡所得も含めて選択できる制度(?)でしたが、一番活用されたのは配当所得を所得税では総合課税を選択して住民税では申告不要を選択するパターンだと思います。
これにより住民税は源泉徴収5%に収めて、かつ市町村への申告所得には含めないので国保の保険料等をアップさせずに、所得税では総合課税で配当控除を効かせつつ0-10%の税率に収めて源泉徴収約15%との差額の還付を受けるというやりたい放題(笑)の節税が出来た訳です。
私はこれが許容されるようになった当時から理屈の上では何故可能なのかと疑問を呈し、市町村の負荷が重いことも指摘しつつ、自分がおかしいと思う制度でもそこにある以上は最大限利用するというポリシーに従い(笑)、利用出来るときは利用して多少の節税はして来た訳ですが再度塞がれるのが早かったですね。
穴を空けたのが間違いだったと言っているようなものです。
しかしながら、投資家は朝令暮改的税制改正に振り回されることになります。
特に異なる課税方式を選択可能になったことで配当課税を譲渡課税20%よりも低く抑えられて有利だからと、値上がりよりも配当目当ての金融商品・銘柄選択に大きく舵を切ってしまった投資家は再度投資方針の見直しが必要になります。
とすれば、取引ベースで異なる課税方式の選択が不可となる来年頭から動く必要あるので、このヒッソリコッソリ改正をしっかり頭に入れて来年の方針を決める必要があります。
但し、(注)には「所要の経過措置を講じる」とあるので具体的には何を意味するか不明ですが、令和5年取引分以降も数年は異なる課税方式選択が認められる可能性はありますが、それを前提に行動するのは間違いでしょう。
(令和3年末に決定し令和4年取引には適用せず1年空けただけで所要の経過措置完了のつもりかも知れません!?)
かなり周知不足ですし、市町村によってもこの改正予定を知らせている所と(多分知らないんだと思うけど)知らせてない所に分かれるし、昨年の税制改正大綱にヒッソリ載せただけでその後は放置状態でいきなり改正実施で「聞いてねえよ」の声続出となりそうですね!?
経過措置を含めた本改正のアップデート情報は追った方が良いとは思いますが、2024年からは新拡充NISAも始まります。
異なる課税方式の選択不可(国税と地方税の課税方式一致要で元に戻す)も合わせて来年の2023年は投資方針を大きく変えて実行する良い機会にもなるので、このタイミングでヒッソリコッソリ穴塞ぎ改正をリマインドしておきます!
