2009年07月04日

【書評】「大投資家ジム・ロジャーズが語る商品の時代」ジム・ロジャーズ著

ご存知、自称(?)かつ他称、大投資家のジムがコモディティーの上昇相場がやってくるとポジショントークした有名本です。




日本で出版されたのは2005年だが、10年スパンの話なので古びたことはないと思います。

ジムは1998年にまともな商品指数がないのでロジャーズ国際コモディティ指数(RICI)とその指数に連動するインデックスファンドを自らで作ってしまった。

この本は6年間で指数が190%上昇した後にまだまだ上がるとポジショントークを兼ねて(?)書かれている。

過去の商品上昇相場が17年は持続しているので、1999年に始まった今回の上昇相場は2016年辺りまでは続くと見ている。

初っ端に商品を勧めるために(?)、他の投資対象は魅力がないとけなしているのですが、その内容が今読むとさすが大投資家と思わせてくれます。

少しだけ内容を紹介すると、
<債券>
ファニーメイやフレディマックの債券を勧められたら電話を切れ。多額の住宅ローン債券を抱えるスキャンダルの温床だ。
<不動産>
米国の不動産は投機バブル。ホームエクイティローン(自宅資産を担保に車や生活費を借金する)の借り手の何百万ものアメリカ人は大変な苦しみを味わうことになるだろう。

この他にも株式が歴史的に見て既に割高であること、双子の赤字の米ドルが危険であることも指摘しているのだが、2005年時点でサブプライム危機が起こる危険を感知していたようだ。(さすが大投資家!)

商品の話よりも、ココがこの本で一番読む価値のあることかも知れない。(当時ならね)

商品については、需要と供給で価格が決まるのでシンプルに「需要と供給」を見ていればわかるとの考え方は新鮮でした。
(情報収集にかなりの時間を割く必要があると思いますが、それを言うとジムに当たり前だと怒られるでしょう。)

鉱物でも畜産物でも価格が上がれば、供給への参入者が増えるが設備投資や生産を始める準備に数年を要するので価格の上昇は止まらない。

その間消費者は高騰した商品の購入を手控えるので、新規参入者がようやく供給を始める頃には供給過剰・需要減少で価格は下がる一方になるので、その後は長く価格低迷の時期が続く。
これが商品の価格変動の特徴であると。

この本は商品について書かれたものであるが、ジムの投資の考え方を知るのに大変参考になるし、商品の需要増加の最大要因となり得る中国の成長について一章を割いて述べられている。

また、米国でも自分が商品の話を始めると親戚が砂糖で身ぐるみ剥がされたという話が必ず出てくるが、それは証拠金取引でレバレッジを掛けているからだと力説しなければならないのは、その点では米国も日本と然程変わらないレベルなのだとわかる。

私はこの本を読んで自分の考えを改めたことがある。

私はブラジル投資にもそれなりの割合を割いているのは、商品価格の上昇も見込んでのことです。

しかしながら、原油価格上昇を何度か批判していたように商品そのものへの投資には否定的な立場でした。(決して他人に強制するものではありません。)

誰かが泣けば誰かが笑う、ゼロサム、Ttat’s allの世界であると考えていたからです。

この本にはブラジルの貧しいコーヒー農園の話が出てきて、如何に過酷な労働をしても安い価格でしかコーヒーが売れなくて、多くの人達が馬鹿馬鹿しくて生産を止めてしまったかという話をして、ジムは貧しい農園を投機家が応援できるなんて素晴らしいことじゃないかと説く。

ジムさん、私の固い考えを解きほぐしてくれてアリガトウ!

●ブラジルの株を買うことは、ブラジル国や企業を応援することである。
●コーヒーを買うことは、ブラジル国や生産農家を応援することである。(その他の比較的豊ではない生産国も)

私がブラジル株を買うことで困る人はいない。(誰も泣かない。いや、私が泣かされるかも!?)

私がコーヒーに投資し価格上昇に貢献して困る人は現物コーヒーを買う人だが、助かる生産者は主に貧しい。
世界の本当の庶民はコーヒーなんて飲まないし、困るならお茶でも水でも飲めば良いことだ。
(私が金価格の高騰で一切困ることがないのと同じです。)

社会的正義云々で言えば、ブラジル企業よりブラジル農園をサポートする方が余程素晴らしいのかも知れない・・。

しかし、原油だけはどうしても考えが変わらない。

原油が上がって笑うのは中東の金持ちとウォール街の金持ちですが、泣くのは世界中の大多数の人達である。(加担したくない!)

だから、ジムの言う石油株を買うより原油を買う方のリターンが大きいというのは確かにそうかも知れないが、私は株を選択する。
(個人の小額は意味を為さないし、自己満足に過ぎないし、他人に強要するものでもありません。)

商品自体はゼロサムだが企業は長期的に成長するという面でも原油暴落の多少のヘッジにもなると思います。

私にとっては気づきの多い本でしたが、4年前の出版であることを割り引いて、

評価:★★★★☆(星4つ)


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posted by 韋駄天太助 at 12:20 | Comment(2) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この10年間、商品のリターンは株に完全に負けています。
http://myindex.jp/assets_i.php

現物と先物が同じと言うのも嘘。所詮ゼロサムゲームの先物は、先高期待以上に上がらなければ利益にならない。だから実際に投資していたら、これ以上に負けています。

この10年でジムロジャーズの言うことが大嘘だと完全に証明されました。発売当事にだまされなくて幸いでしたね。

Posted by マネーの竜 at 2013年10月14日 09:53
マネーの竜さん、
これまた随分古い記事にコメント頂いて・・。
どうなんでしょう。金価格だけを見れば暴落した今でも10年前の3〜4倍ですね。
個人的には、金・原油・小麦・牛肉・コーヒー等を一つの籠に入れた商品指数で見ることに大きな違和感があります。
株とは違って、商品は10年スパンでも「投資」ではなく「投機」であるとは思います。
Posted by 太助 at 2013年10月14日 22:52

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