リスク回避志向で“さもありなん”ですが、驚くのはリーマンショックより遥かに昔の1997年2〜7月の6か月連続以来約15年ぶりの販売不振となったこと。
15年間に他にも沢山の「ショック」があったと思いますが、欧州危機でどんだけ売ってんねん!
(あるいは、どんだけ縮こまって買わへんねん!)
確かに歴史的危機ではあると思いますが、15年ぶりには違和感があります。
株式投信とは言っても、毎月分配型の外債投信もこのカテゴリーに入るので、今回は欧州債に直接投資しているグロソブ等の外債ファンドからの資金流出が大きかったから、15年ぶりの記録になったのかなと推測します。
読売が記事の中でこの現象をしっかり皮肉ってくれました!?
「ただ、1月以降は世界的な株価の上昇で、株式投信の純資産総額は、前月比2・6%増の47兆9631億円と増えた。」
そうです、まさに強烈な逆指標っぷり!?
2011年10月〜12年1月の4カ月間に(投資家としてリテラシーに疑問符がつく投信顧客層の中の)多数派は「買わずに売る」という判断をしたが、今振り返ればこの期間に「売らずに買う」方が儲かった。
「高く買って安く売る」をやる(やらされる)顧客層の多い投信全体の動向は逆指標を提供してくれるが、このニュースを見てから動くにはもう遅いのかも知れません。
では、15年前の97年2〜7月も逆指標だったのでしょうか?
当時の相場環境に明るくないのですが(4月に消費税が3%から5%に上昇した影響が大きかったのか?)、日経平均は1月〜2月に大きく下げ、2月の安値17,019円から7月の高値20,910円まで概ね上昇トレンドを描いたので、悲観して売っていた大衆は逆をやっていたことになります。
しかも最悪なのは株価の戻りを見て、8月からは投信に資金流入超となったはずですが、高値を付けた7月にアジア通貨危機が起こり8月以降は下げ続け、11月の山一證券破綻を経て、翌98年1月の安値14488まで大きな下落トレンドとなりました。
バブルの余韻も残る時期ですし、ご存知の通り、それ以降も日経平均は15年間の下り坂ですから、大きな期間で見れば売りは間違いではなかったが、当時も短期的には相場の上げ下げとは逆の指標を綺麗に(?)描いています。
では海外はどうだったかを見ると、97年1月末のNYダウが6813ドルで7月末は8222ドルだから、本邦投資家が凍死(?)していた半年間で米国株は20%も上昇しています。
その後のアジア通貨危機で7400ドル辺りまで下げますがその後もリーマン前まで10年以上右肩上がりでしたから、6千ドル台だった97年1〜3月に買っておいた方が儲かったことになります。
やっぱり日本の投信「資金流出」は極めて有効な素晴らしい逆指標だ!?
勿論、単なる逆張りで他人が一斉に売っている時に買えば儲かるほど単純ではないことはこの15年(いや21年)の日経平均が教えてくれているし「○○ショック」は今後も沢山出てくると思いますが、いつも間違う人たちと同調してお手々繋いで横並びで楽観と悲観に順張りしている限り、相場にお金を落とし続けるだけだと思います。
有効な逆指標も1つの判断材料に過ぎないし、それに100%ベットすべきものではありませんが、(人のことは言えませんが)高く買って安く売り損する人の逆をやれば儲かるってことは疑いようのない単純な真理だと思います!?
この逆指標を使うのに、ソロスのような相場を読む能力も、ソロスのような大金も必要ないし、使わにゃ損!?

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