一般の3万7千人に対するネット調査の結果なので、15%は高い数字でしょうし、金融業界がNISA制度によって作り出されるかも知れない1千万人規模の新需要獲得に躍起なのも自然かも知れません。
ネット証券がシステム対応コストに見合わない制度と消極的だったのが嘘のようにニンジンをぶら下げてフライング的獲得合戦を展開しており、メガバンクまで巻き込んで、第一生命まで「冷やし中華始めました」みたいに気楽なノリで(?)NISA口座を始めちゃうほど、金融業界全体でNISAお祭り騒ぎを演出しています。
ところが、NISA制度自体は細かい内容でまだ不明点があったり、制度自体の使い勝手の悪さが指摘されていますが、これはグッドニュース!?
「金融庁がNISA制度普及の為に、複数の金融機関でNISA口座の開設を27年から容認する制度改正の検討を進める」
確かにこれ自体は利便性の向上でどこから見てもグッドニュースだけど、私に言わせれば投資家にとってNISA複数口座はバッドニュース!(かも知れない・・。)
わかっているのか、金融庁さんよ!
何故こんなに金融業界全体が横並びで投信のコストを下げたり、手数料優遇やその他特典を付けて顧客サービスをしているのか?
今過剰なコストを掛けても、1人1口座を獲得できれば他社を排除して数年間は顧客を固定できて、投資初心者の新規需要も期待でき、5年で500万円をNISAで運用してくれる可能性+通常サービスも利用してくれる可能性が高いからです。
他社から奪うだけなら値下げとコスト増で業界全体が疲弊してしまうが、新規需要が期待でき顧客を独占できるチャンスがあれば、もともと横並び体質の強い金融業界もちゃんと値下げで対応することが今回のNISA騒動に垣間見える。
つまり、金融庁が意図した訳ではないNISAの1人1口座という利便性の悪さが金融商品の低廉化を促し、結果として投資家にメリットを与えているのです!
ネット証券の株式売買手数料は世界的にも決して高くない水準まで下がっていますが、投信のコストはまだまだガラパゴス的ボッタクリ価格であり、NISA制度がそこに風穴を開けてくれる可能性は高い!
複数口座の容認なんて小さな利便性の向上よりも、熾烈な顧客獲得競争に火をつける1人1口座という不便が金融業界にとっては目の前にぶら下げられたニンジンの役割となり、結果投資家にとってはメリットが大きいのだ!
NISA制度は利用者よりも金融業界を刺激するために活用した方がいいんだって!?
利用者よりも業界にとってオイシイ制度として、過当競争させておけばいいんだって!?
多分賛同者は多くないと思うけど、1投資家としてNISA制度の複数口座容認には断固反対します!

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