文部科学省が親の年収と子供の全国学力テスト正答率との関係について、約4万人を母集団とする統計調査結果を3月28日に発表しました。
小6算数と中3数学の正答率が親の年収200万円未満から1500万円以上までの分布と綺麗な(?)正の相関関係が見られます。
(年収1000万円以上では必ずしも正比例していない。)
まあ調査しなくてもそりゃそうだろという結果ですが、あまりに見事で綺麗な正比例の関係はとても醜いと言うべきかも知れない・・。
統計的には、親の年収で子供の学力が醜く決まってしまっていますね。
この結果を踏まえて、塾代等の経済力格差が影響していると言えば、そりゃそうでしょう。
親の教育熱心さや家庭状況が子供の正答率を左右すると言えば、そりゃそうでしょう。
でも、文科省や教育を専門とする大学教授は
●それを言うと身も蓋もないからか?
●自分達がインテリ職業に就いている結果を自分の努力とは関係のないその要因に帰したくないからなのか?
相変わらず遠回りで間抜けな分析結果をしているように思います。
それは、親の収入や学歴が後天的に子供の学力を左右する(これも一要因だか)からではなく、先天的に左右している要因が小さくない、つまり「遺伝」の影響が統計結果に色濃く表れているだけなのではないか?
えっ、身も蓋もないですか?
私はそう結論付けなくても、それを一要因として仮説ですら持ち出さない方が卑怯でアンフェアで人を傷つけていると思いますけどね・・。
(子供の学力が相対的に低いのは、親の経済力や教育態度と子供の意識や努力のせいで遺伝は全く関係ないと?前者だけでこんなに完璧な正の相関関係が統計結果に表れると?)
身も蓋もないのではなく、その前提で話を始めないとイロイロと間違えますよ。
中3数学の正答率は親の年収200万円以下で30%ですが、トップの年収1200-1500万円でもたかだか50%です。
言い換えれば、子供の数学30点から50点までに全国平均では親の年収別に緩やかな相関関係がハッキリと見られるということです。
でも、親の年収1000万円差で子供の数学20点差が大きいと言えるのでしょうか?
しかも、遺伝はこの要因の全てではなく一部です。(何%かは誰にもわからないはず。)
統計処理してグラフにすると、親も子供も落胆させるような醜い相関関係を見せるのですが、そんなものは一面的な断面図でしかない訳ですよ!
では異なる断面図で、数学100点取る子の親は皆年収1000万円以上なのでしょうか?
そのような調査結果は知りませんが、近い捉え方と思える東大生の親の世帯収入分布を見ると、直近の2012年で年収450万円以下が13.5%、合わせて年収750万円未満が27.3%です。
ぶれが大きいので2010年も見ると、年収450万円以下が16.6%、合わせて年収750万円未満が33.6%です。
さて、親の収入で子供の学力が決まるという見方や決め付けは正しいのでしょうか?(一断面では間違いなく正しい!)
世帯年収450万円以下のごく普通・平凡な家庭の子が15%程度を占め、年収750万円以下の高学歴・有名企業の管理職ではないだろう家庭の子が東大の3割を占めています。
本当に格差は連鎖しているのでしょうか?(一断面では間違いなく正しいのでしょう。)
こういう統計結果を見せられて、メディアの論調や学者の分析を鵜呑みにして、「親の収入・学歴で子供の学力が決まる」と単純に植え付けられる方が属人的な収入や学歴がなんぼのもんであれ(!?)関係なしに思考停止で「知性の欠如」だろうと思います!?
それは、「学歴」「学校暦」を目指して全国学力テストで1点の差を競う「教育」とやらが個人の「考える力」を奪ってしまったのかも知れない・・。(それこそ詰め込まれ教育を受けた親世代の無回転脳が引き起こ・・以下自粛!?)
私は「学歴」「学校暦」で収入が大きく左右される社会の現状を肯定するつもりもないし、そのヒエラルキーの頂点に君臨する「東大」に入学する為に全てを犠牲にして努力することも良しとしません。
しかしながら、私は遺伝を持ち出して身も蓋もない後ろ向きなことが言いたいのではなく、それは一要因に過ぎないので自分のDNAに挑戦状を叩きつけてから言えと、裕福でも高学歴でもない家庭の子には言いたい!
でも、努力が絶対的には報われても、相対的には(他人との比較では)報われるとは限らないから、自分由来のDNAを棚に上げて要因分析せずに子供に成績が上がらないのはお前の努力が足りないからだと一方的に責めるなと親には言いたい!?
世の中は統計データが示すほど単純に醜く出来ているとは思わない!
さあ、新年度です。学業であれ何であれ、越えるべきは昨日の自分!
前向きに行き、生きましょう!

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