柳井社長はこれまでグローバル競争に打ち勝てと人材にもそのような要素を要求する発言が多かったように思いますが、どうやら反省して会社の方針も修正したようで、「部下は部品ではない」「部下の人生を預かる」との発言もあったようです。
「ユニクロはブラック企業」との批判も方針転換の「1つのきっかけにはなったかもしれない」と認めました。
カリスマ経営者にありがちですが、「寝食を忘れるくらい仕事に打ち込まなければ駄目だ」などと自分と同じレベルで仕事に対する意識や情熱を下に求めて「やる気のない者は去れ」とか言っちゃうと、そんな給料貰ってないしルーティンワークのない社長さんほど仕事が楽しい訳じゃねえんだよ、毎日店舗でお客様脱ぎっ放しの服畳んで並べてみろよと末端ほどさっさと去っていきます。
ファストリの新卒社員3年以内離職率は50%から30%に改善しているようですが、まだ業界水準より高いらしい。
ミスマッチもあるのでしょうが、ファストリを指して言う訳ではありませんが(実態を知らないし)、この法則が多くの会社に当てはまると思っておいた方が良いと思います。
ベンチャーから大企業に一代で育てたカリスマ経営者は社員に奴隷を求めがちである!
ここに逆説があるんですよ、新卒社員は柳井さんに憧れて入って来る人も多いでしょうけど、アイデアがあって決断力のあるカリスマ社長がいれば下は頭使わず言われた通りに動く軍隊組織でいいんだもの!?
別の言い方をすれば、スゲー社長にスゲー部下は無用の長物です!?
ファストリと並んで日経平均株価を大きく動かす、柳井さんも社外取締役を務め、PCソフト卸売から米スプリントも買収する巨大通信企業に成り上がり、米国で米メディアにも"We will be No.1!"宣言をしてしまうソフトバンクの社長さんも似たようなものだと思います。
下に必要なのは軍隊組織だけでしょ、それ以外・以上のことは社長1人で全部やりそうだもの!?(笑)
例えるなら、ビートたけしに憧れてああなりたいからって「たけし軍団」に入るのは方法論として間違いだってことです!?
その道に入るとたけしを絶対に超えられないし並べないし肉体芸の駒使いで終わり!たけしの下には駒しか要らないに決まってんじゃん!
軍団なら憧れのたけしと一緒に仕事が出来るだけで幸せなのかも知れないけど、カリスマ社長の会社の新卒社員なんて口もきけないし、たまに社長を見かけるとしたら家のテレビだけだよ、そんな動機で志望しちゃダメだって!
でも、社員を部品扱いして来たかも知れないファストリやソフトバンクが株価を何倍にも押し上げて来たこともまた事実です。
やっぱりカリスマ経営者が率いる日本兵の軍隊組織が最強であることもまた事実だったのだと思います。
「ブラック企業」という言葉が独り歩きして様々に拡大して使われますが、ある意味日本全体が優良企業も含めて「ブラック企業」体質ですよ。
日本の昭和の成功は「ブラック」体質の上に成り立っていたのだと思うし・・。
でも、どこかで限界が来るし、ブラック体質を修正できなければ20年が失われてしまうかも知れないし(!?)、ファストリも新たなチャレンジですね。
16000人は正社員化で年収が2割増えて、ファストリが部下の人生を40年預かってくれるかも知れませんが、株主目線では大きなリスクとコストアップであり、減益見通しと合わせて株価は大きく下げて反応しています。
是非とも、カリスマ柳井率いる店長主体の上意下達でダメな体育会体質から販売員主役のチームワーク体質に改善して、ユニクロもリニューアルオープンでグローバル化との二兎を追って成長を続けて頂きたいものです。

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