2014年04月24日

NISA枠年間300万円に拡大なら少額ではなく老人枠非課税制度だろ!?

ダイヤモンドオンラインに、NISA非課税枠を3倍の300万円に拡大する案が調整されているとの記事がありました。
明らかにしたのは「政府関係者」とやらですし、現段階では信頼できる情報ではないでしょう。
仮にその方向で検討されているとしても諸手を挙げて賛成で良いのでしょうか?

先月には、法人税減税の代替財源として、株式配当や譲渡益の税率を引き上げる案が検討されていると報道されました。
この2つの案が同時並行で検討されているとしたら、常人には全くもって理解し難いのですが、永田町ではさもありなん!?

NISA枠拡大の理由は、3月までにNISA口座経由の個人マネーが日本の株式市場を下支えしているし、消費増税で悪影響が懸念される株価の引き上げも狙い株価対策になるとのこと。
前者の好影響はわかります。
そもそもNISAは配当・譲渡益の優遇税率廃止に伴う株式市場への悪影響を緩和するためというお題目で登場させたはずです。

実際には日本株が今年に入ってNISA開始から見事に下げていますが、外国人の売り崩しにNISAが(無謀にも?)買い向かって株価を支えた面はソルジャーとして評価すべきでしょう!?
消費増税の悪影響は実体経済の話であり、NISAで支えるのは無理なこじつけに思いますが、NISAパワーに頼りたくなるほど個人マネーが動いたのは前述のとおり事実でしょう。

しかしながら、年間300万円枠(5年で計1500万円非課税となるのか?)は少額ではなく多額投資非課税制度だし、制度導入の趣旨からも大きく逸脱して別の理念と制度にすり替わってしまいますね。
それならそれで整理し直して制度設計すれば良いのですが、金持ち優遇はけしからんので法人税減税の代わりに投資家の利益からぶんどれ案との整合性はどう説明するのか?

このまま行けば、5年で1500万円までの投資は庶民だから(ハァ?)非課税だが、それ以上投資するのは金持ちだから罰として(?)配当・譲渡益に30%以上課税します、という摩訶不思議な税制になりかねない!?
それなら、優遇税率10%のままがシンプルで遥かに健全に思えます。

気に入らないのは、NISAが「老人の老人による老人のための制度」に変形させられようとしていること。
NISAには若年層を投資に呼び込むというお題目もあったはずですが、20代に年間300万円の枠はほとんど必要ないよね。
1500万円を突っ込む余裕があり配当非課税で年金の足しにしたい年配者のための制度変更であり、政治屋さんにとっては選挙対策になり何故か彼らに対しては「金持ち優遇はけしからん!」と言ってはならないお客様は神様な訳だ!?

まあ、この国の制度やシステムが嘘で固めて正義をでっち上げた上で、全て年寄りに有利な方向への捻じ曲げが透けて見えるのが気に入らないんだよね。
株式配当・譲渡益の税率をもし上げる方向なら、NISA枠の拡大を安易に行うべきではないし、行うならその整合性を明確に説明すべきでしょう。
(NISA枠拡大に伴う税収減の代替財源はどうすんの?それはNISA枠外で投資する大金持ちに負担して貰って「けしからん」奴らの税率は50%まで上げますか?ハァ?)

それと、全て貯金に回していた人が非課税だからと1500万円を株式投資にいきなり突っ込むことを国が誘発して良いのかという問題もあり(もちろん自己責任だが、それが一番通用しない人達だから)、使う側も制度が赤字を黒字にしてくれる訳ではないことを再認識し、NISA枠にモッタイナイ精神は不要であり非課税に釣られて資産のアロケーションを大きく変えてしまうのも根本的に間違いだと認識すべきでしょう。
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posted by 韋駄天太助 at 12:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 株式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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