多くの人はまた中国は景気が悪いのに投機で株価だけバブってるんだろう程度にしか思っていないでしょう。
しかしながら、先週は休場明けの香港市場でも本土関連のH株指数が爆買い(!?)されてリーマンショック後の高値付近まで上昇して先行する上海を追いかけるような展開になっています。
中国の「一帯一路」構想がホンモノだとの認識が拡がったようでインフラ関連を中心に爆上げしました。
中国主導で進めるAIIB(アジアインフラ投資銀行)が「一帯一路」と連携すること、参加も11日時点で54の国・地域に膨れ上がっていることも、上海・香港の株価を支えています。
親米(?)のイギリスがAIIBに参加を表明したことは象徴的ですが、ドイツやフランス等の先進国も参加を表明し、新興国だけが中国になびいているのではありません。
茶化して言えば、中華帝国の前に英・独・仏も屈して跪き、その下には無残に踏み付けられ苦渋の表情を浮かべる米国の踏み絵があるという感じでしょうか!?
(その米国がリードを持って首輪を付けられている従順な犬は・・!?)
ただ単に、「一帯一路」とAIIBを評価して株価が上昇している訳ではないのかも知れません。
そこに、中国の米国と並ぶ(或いはイロイロな意味で異次元の)超大国への道筋、国際政治におけるパワーバランスの変化を嗅ぎ取り、長期的な変化を織り込もうとしているのかも知れません。
日本内需の代表である炊飯器メーカーの株価を支えているのも、少子高齢化かつ米食が減る一方の内需ではなく、訪日中国人の爆買いです。
イイとかイヤとか好き嫌いだけで、現実を無視して縮む内需に引き篭もり続ける訳にはいかない。
日本のAIIBへの参加・不参加にコメントしませんが、好き嫌いではなく米国への忠義でもなく、英独仏と同様に変えられない変化と現実にどう対処するかですね。
大げさに言えば、米国主導で作り上げてきた世界の秩序・枠組みに、中国が挑戦状を叩き付け、中国の構想・枠組みに英独仏が簡単になびいてしまい、その強大さをまざまざと見せ付けているのが「一帯一路」とAIIB構想だと思います。
振り返れば米中と世界にとっての政治経済両面で大きな分岐点となり、それを株価は先回りして織り込んでいるのかも知れませんね。

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