概要をザックリ言えば、普通株式価格の120%以上で発行され、5年間は売却できないが配当は年0.5%ずつ上昇して5年目以降は2.5%となる。5年経過後は普通株式に転換することも出来るし、AA型のまま保有し年2.5%の配当を貰い続けることも出来る。
(購入本気の方は様々なサイトで解説されているので詳細まで勝手に確認下さい。)
前代未聞、既存株主にとっては・・、株式市場にとっては・・、株主による経営のチェック機能として・・、とマクロでは賛否両論がありますが、一般ピープルが買うべきでない理由なんてあるのでしょうか?
ボロ儲けの可能性もある元本保証と言われれば、まず「詐欺」を疑うべきですが、これはトヨタが発行する種類株なので預けた金を持ち去って経営者が海外に高飛びする可能性も99.9999%ないでしょう!?
配当付きの元本保証で5年後に株価が取得時の120%以上を上回っていれば譲渡益を得られるという金融商品はちょっと信じ難いほどです。
別の観点でいえば、普通株の120%以上で取得することによって当初5年間は平均1.5%の配当となり普通株より若干抑え目だが、その代わりに5年後に株価が下がっていた場合の損失はトヨタが責任持って補填しますと言っているようなもの。
取得時に株式時価より高い20%(+α)は損失時の保険と考えれば、全然高くないように思えます。
個別株を売買する投資家には決して評判は良くなく、これを買うなら普通株を普通に買うという意見も見受けられますが、AA型は譲渡益を減らされてしまうので常に株式損失リスクと向き合っている投資家には当然の判断でしょう。(邪道との嫌悪感もあるのかも。)
でも、トヨタのAA型種類株は保守的な投資家や定期預金が主の一般ピープルにはバカ受けすると思います。
5年定期預金(例:みずほで5年300万円未満なら0.03%!)より遥かに高利回りで、5年後に値上がり益を得られる可能性も充分にあって損失リスクはないのだから、トヨタAAを買わない理由がわからない!
配当は普通株と大きな差はないと仮定して、5年後の株価変動を3ケースに分けて考えます。
@株価が120%以上に上昇した場合
売却して値上がり益も得られるが、普通株よりも譲渡益は小さい。
A株価の上昇が20%未満の場合
普通株なら利益を得られるが、AA型を転換すると損失なのでそのまま持って配当を得る。
B株価が下落した場合
普通株なら損失だが、AA型はトヨタに買い取って貰えばノーリスク!
20%(+α)高い取得価額は安い保険料のように思えます。
過去のトヨタ株価で極端な例をシミュレーションしてみます。
@2010年5月の終値が3280円。5年後の15年5月の終値が8604円。
普通株1単元で532,400の利益で取得価額に対して162%の上昇。
AA型(普通株の20%と仮定)は、3936円での取得となり、1単元で466,800円の利益となり、取得価額に対して118%の上昇。
AA型は普通株より譲渡益が65,600円(率にして12.3%)小さくなる。
※上昇が大きいほど、普通株との譲渡益率の差は小さくなる。
B2007年2月の終値が8070円。5年後の12年2月の終値が3355円。
普通株1単元で▲471,500円の損失で取得価額に対して▲58%の下落。
一方、AA型は普通株に転換して売却すればそれ以上の損失だが、そんなマゾはいないのでAA型のまま保有して配当2.5%を受け取り続ける権利を行使して、損失0円。
普通株はAA型より譲渡損が471,500円大きくなる。
※暴落塩漬けのケースでAA型のメリットが最大限発揮されることになる。
ということで、批判はあっても買う側からは非の打ち所が少ない金融商品だと思います。
私は多分買わないけど、5年定期に預けるくらいなら断然トヨタAA型種類株を買いますね。(って、瞬間蒸発で簡単には買えないでしょうけど。)
トヨタの新車にキャッシュで百万円払う余裕があるなら、トヨタのAA型種類株を買っておけ!
前者は毎年諸経費が掛かって5年後には減価償却で確実に値落ちするが、後者は前者が落とした金から毎年配当されて5年後に値上がりする可能性も充分にあるのだから!?
私もポケットから奪い続けるヴィッツの新車を買うなら、ポケットに入れ続けてくれ減価しないAA型を買います!?

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