SBI証券での説明をお借りすると、
●マーケットメイク制度とは
「マーケットメイカー」と呼ばれる専門の業者が、ETFの買注文と売注文を常に出し続けることで取引の流動性を提供するものです。
●この制度のポイント
ETFの流動性が向上し、より売買をしやすくなります。
投資家が売買をしやすくなるよう、東証がマーケットメイカーにインセンティブを支払って流動性をつけてもらいます。
もちろん、インセンティブの見返りとして、マーケットメイカーはETFの発注銘柄数や発注数量、スプレッドの幅といった義務を負うことになります。
これまでもマーケットメイクはされていたと思いますが、東証の新制度によりマーケットメイカーの
●スプレッドがより狭くなり投資家の負担する流動性コストが減少する
●板が厚くなり一度の成行き売買代金が大きくてもスプレッド内で吸収される
ことがメリットかなと思います。
しかしながら、全てのETFが対象銘柄ではなく98銘柄に適用されてのスタートです。
充分と思われるかも知れませんが、比較的スプレッドが広く流動性も低くなりがちな外国株ETFはたったの5銘柄です!
(上段:コード、中段:銘柄名、下段:管理会社)
2513
NEXT FUNDS 外国株式・MSCI‐KOKUSAI指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信
野村AM
2514
NEXT FUNDS 外国株式・MSCI‐KOKUSAI指数(為替ヘッジあり)連動型上場投信
野村AM
1557
SPDR S&P500 ETF
ステート・ストリート
1655
iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF
ブラックロック
1678
NEXT FUNDS インド株式指数・Nifty 50連動型上場投信
野村AM
あらまあ外国株ETF沢山あるのに、この5銘柄だけとは淋しいですね。
これらの板をざっと見てみたのですが、以前の状態も詳しくないのでマーケットメイク制度が今日から導入されていると言われてもサッパリわかりません。(笑)
1678のインド株ETFは最近売買したのですが、これは元々目が粗すぎてスプレッドが拡がらないし流動性も高めなので以前との違いはわかりません。
マーケットメイクされたところで一般参加者が売買しない限り出来高が増える訳ではないですしね。
一番わかり易そうだった1557のS&P500ETFを例に取ると現在価格が30000円前後でマーケットメイカーは100から150の幅で500口のスプレッドを作っているようでした。
つまり、スプレッドコストが売買代金に対してザックリ0.33%から0.5%乗せられて、成行きの大人売買でもザックリ15百万円以下ならスプレッド内で吸収されるということです。
この幅が以前よりも下がって500口も以前より厚くなっているのなら、マーケットメイク制度が今日から導入された効果はあると言えるのですが、私は以前を知りませんので。(笑)
私の経験で言うと、板の薄いETFでマーケットメイカーのスプレッドの1つ内側に指値を置くと瞬間にメイカーが狭めてスプレッドの外側に追いやられることが多いです。
これは成行き売買の受け手としてぼったくれるようにスカスカならわざとスプレッドを広げている訳です。
何故なら最初から狭めた所で約定しても利益が取れるのにそうせず、一般投資家の指値があれば邪魔するプログラムを組んでいるのだから。
こういう部分を東証がインセンティブを与えることで常に狭い幅のスプレッドを出すことが要求されて守られるなら効果は大きいと思いますが・・、外国株では5銘柄だけで板を見ても今のところ???ですけどね。
ついでに言うと、マーケットメイカーのスプレッドが広くても狭くても一般投資家の指値がスプレッド内に常に並んでいる状況なら流動性コストは発生しません。
鶏が先か卵が先かの話になりますが、利益を乗せたマーケットメイカーのスプレッドから売買する必要がない流動性を一般投資家だけで形成することが一番ローコストになります。
まだ始まったばかりですし今後も対象銘柄の追加はあるようですし、外国株特有の基準価額との大きめの乖離も改善されることを期待しつつ新制度がうまく機能することを見守りたいと思います。

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