2020年01月14日

二重課税調整制度の有利さは三重課税を一重にするMAXIS全世界株式ETFで考えてみる!?

MAXISの米国株式(2558)と全世界株式(2559)が東証に9日から上場されましたが、私は先週お話しした外国税額の二重課税調整制度の開始に合わせて三菱UFJ国際投信が投入して来たのではないかと考えています。

何故なら、ETFの方がこの制度を活用できて税制上有利になるから!?
わかり易い比較が出来るので、全世界株式ETFを例に有利さを説明してみます。

キーポイントは、国内ETFなら三重課税問題をナッシングにして一重課税にしてしまうマジック!
全世界株式に投資する商品として、米国ETFのVT、インデックス投信のeMAXIS slim全世界株式、国内ETFのMAXIS全世界株式ETF(2559)で税引き後分配金がどう変わるかを比較します。

話を単純化するために(あり得ないけど)3商品ともに分配率が2%で各国の分配率は等しく、国別構成比は米国比率50%でその他は外国税額の掛からない国が10%で残り40%の国々は10%の外国税額が発生し、日本での源泉所得税率は地方税も含めて20%と単純化して前提を置きます。

●米国ETF:VTの場合
米国では10%の外国税額が掛かりますが、第三国で掛かった場合でも控除されずに米国で再度10%課税は行われるので、最終的に日本でも源泉課税されて「三重課税」という問題が発生します。
税引き後分配金=2%x0.9x(50%+40%x0.9+10%)x0.8
=2%(分配金)x86.4%(1-平均外国税額率)x0.8(1-国内課税率)=1.38%

米国ETFなので「確定申告をすることにより」米国課税分は一部または全てを控除することが出来ますが、第三国分については控除不可能です。
米国課税分を取り戻せる場合は、2%(分配金)x96%(1-米国課税除く第三国課税分)x0.8(国内課税)=1.536%

●インデックス投信:slim全世界株式の場合
配当金は必ず発生する訳ですが、運用サイドが無分配のままであれば外国税額控除は一切されずに基準価額の上昇(から差し引く)として反映されます。
また、この投信の場合は米国経由ではないので三重課税は発生しません。

税引き後分配金=2%x(50%x0.9+40%x0.9+10%)x0.8
=2%(分配金)x91.0%(1-平均外国税額率)=1.82%
がファンドの基準価額上昇に反映されるが、投資家への分配は行われず国内課税分(20%)は利益確定時の未来まで繰り延べされる。

●国内ETF:MAXIS全世界株式(2559)の場合
確認は必要ですが、国内籍で外国現物株運用のETFなので二重課税調整制度の対象になると思われます。
また、ここがミソなのですが米国も経由しないので三重課税問題は発生せず日本と各国間の外国税額のみ発生はしますが、これらはほぼほぼ自動で国内源泉所得税から控除されるので計算上は発生しない(=所得税から控除される額と同等)とみなせます。

税引き後分配金=2%(分配金)x0.8(国内課税)=1.6%
米国ETFと比べると税引き後分配利回りは0.22%高くなるので、0.01%の信託報酬差を血眼になって気にしている人には22倍ほど無視できないメリットのはず!?

確定申告で米国課税分は取り戻せた場合でも、三重課税が発生せずほぼ外国税額分を全額取り戻せる国内ETFの方が0.064%高くなります!
鼻で笑う差だと思われるかも知れませんが、これは両者の年間信託報酬に匹敵する規模になるので、第三国の外国税額を控除できるか否かの違いだけで海外ETFに投資することは分配金で国内ETFに年間信託報酬の規模で損をするということです!(粗々の試算であることには注意)

海外ETFでも確定申告で全く取り戻せないケースでは0.22%で約3年間の信託報酬に相当する差がある訳ですから、国内ETFと比べて如何に不利になるかがわかります。

逆に言えば、外国税額の二重課税調整制度は国内ETFにだけ圧倒的に有利なのです!
海外ETFなら三重課税問題だが(申告すれば人によっては二重課税に出来るかも)、新制度により「誰に対しても」国内ETFならなんと一重課税に負けてくれるのです!?

インデックス投信なら国内課税をせずに繰り延べるので単年の税率(外国税額のみ)だけなら一見有利に見えますが、見えないところで外国税額をフルに取られつつ取り戻すことは不可能で未来のどこかでは国内課税が発生する訳ですから一概に有利とは言えません。

これがコペルニクス的転回の一例です。
外国税額を取り戻して分配金を多く貰いたいなら、海外ETFより国内ETF!

将来的な利回りも、無分配のインデックス投信(毎年見えないところで外国税額を払う)が国内ETF(外国税額はほぼ取り戻せるが毎年分配金に国内課税された後に再投資)を上回るかは前提や期間によって有利不利は異なるようです。

外国税額の自動調整制度が出来たからと言って、投資家によって希望や有利不利は異なるし投信で無分配の方針を簡単に変えることは出来ない。
従って、三菱UFJ国際投信はこの制度をフルに享受でき投資家の選択で選んで貰えるように、slimインデックスのETF版である全世界株式(2559)と米国S&P(2558)を20年の1月早々に投入して来たと読みます。

それなら、この有利さを運用サイドもアピールすべきなんですがまだまだ情報が少なく、ハッキリしたこと(本当に2559を買えば三重課税が一重になり自動で外国税額控除が為されるのか?等)は断定できません。
また、追々書いていきます。
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posted by 韋駄天太助 at 01:00 | Comment(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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