代わりに1年に1度だけリセット(最終決済)が必須となる新商品が上場されますが、数年に及ぶ「長期保有」は不可能となります。
これは対象株価指数と取引価格の乖離を解消するための措置と説明されていますが。何年も建玉を「長期保有」されても東京金融取引所とブローカーにとっては一銭のカネも落ちないので、年に1回はカネが落ちる仕組みに変えたかったという動機もあるのかなと邪推します!?
既に乖離解消の措置は施されていて、2017年12月からは適用金利が円金利から当該国の外貨金利へ変更されました。
この変更により、どの指数でも保有に伴い発生する金利コストはほぼゼロ円か無視できるほど小さい円金利が適用されるという夢の世界だったものが、特に米国などは長期保有に伴う金利コストは無視できないレベルになりました。
更に今回の変更により、約1年に1回は決済が必要となり手数料が発生するだけではなく損益が確定して益であれば税金も発生するので、ダブルパンチで「くりっく株365でのほぼノーコスト長期保有」という知る人ぞ知る運用方法は絶滅することになりそうです。
そうは言っても、腐っても「くりっく株365」!(褒めてるんですよ!?)
この強烈な2大改悪があっても氷河期を生き延びて生存する方法があるかも知れない!
但し、年1回損益が確定して課税があることを受け入れて手動でロールオーバーすれば、「長期保有」は無理でも疑似「長期運用」は超低コストで可能かも知れないので検証してみましょう!
<試算方法>
2019年の配当・金利実績は公表されているのでそのまま流用します。(取引価格は2019年末値)
売買コストはスプレッド+手数料ですが今後は手動ロールオーバーすると年1で発生します。
手数料は往復300円として、スプレッドは2019年11月実績で日経225が7.1円、NYダウ9.5円と公表されているので丸めて日経225:7円、NYダウ:10円とします。
DAXとFTSE100は広めだから公開したくないのか公開実績がないので(笑)、ザックリ眺めた感覚でDAX:20円、FTSE:40円のスプレッドとします。
(例:日経225の売買コスト1000円=スプレッドコスト700円+手数料300円)
Netは配当金相当額から金利相当額と売買コストを差し引いた値ですが、1年間の保有で発生する値として想定できます。
(各指数の上昇下落による損益は一定ではなく予想不能だが、Netの値は大きくブレので受け取り・支払い額は想定可能)
一覧表にするとこうなります。

<日経225>
やはり円金利で金利コストが一切発生していないため保有コストを大きく引き下げています。
売買コストも0.04%に過ぎないので1年で貰える配当金相当額と比べても微小なので4指数の中では「長期運用」に一番適しています。
(いや日経の上昇率は知らんよ、勿論考慮せず!)
<NYダウ>
やはり1年保有で金利が2.3%掛かってしまうのが痛い。
それでも配当金とほぼ相殺される額なので、NYダウ指数の上昇を想定してレバを上手く使いながら「長期運用」したい場合はアリかも?
<独DAX>
DAXは配当金込みの指数なので配当金利回りが0%になっていますが、実際は指数の上昇に反映されている筈です。
金利コストが低めで売買コストは日米より若干高いですが、合計年間コストは0.34%程度と低廉です。
投資信託で言うところの信託報酬とその他コストを足した実質コストに相当するのが0.34%程度で、ドイツ株価指数に単独で投資したくても出来ないのでくりっく株365のDAXは充分「長期運用」に耐えられるコスト水準で魅力もあると思います。
<英FTSE100>
スプレッドがかなり広くて売買コストが高めで金利も1%越えなので合計コストは1年間で2%弱発生して痛い。
しかしながら、配当金利回りが4%超と高くコストを引いたNetで見ても2.5%の利回りがあるので、英国単独に投資したい場合は「長期運用」もアリかも?
(スプレッド広過ぎて短期運用のニーズはもっとない筈ですけどね!?)
手動ロールオーバーによりくりっく株365で疑似「長期運用」を継続するとしたら、個人的な評価では、
日経225 >> 独DAX >> 英FTSE > NYダウ
ですね。(だから各指数の上昇予想は考慮せず!)
非常に大きな痛い改悪を繰り返していますが、腐っても「くりっく株635」による疑似「長期運用」での使い道は課税をさほど気にしないという前提でまだ僅かに残されていると思います!?

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