その後に類似サービスを投入する大手ネット証券もなく楽天グループの独壇場かと思われたところで2021年になってから2社の追随が明らかになりました。
マネックス証券は新生銀行グループのアプラスと業務提携して今春に「マネックスカード」を発行して投信積立サービスも提供予定です。
投信積立額に対して何%の付与かは明らかになってないと思いますが、ショッピング100円につきマネックスポイント1%還元なので投信積立においても1%付与が期待されます。
SBI証券は三井住友カードと提携して6月30日に「三井住友カードが発行するクレジットカードで投資信託が買える投信積立サービス」を開始して月5万円を上限に0.5%のVポイントを付与します。
第一印象として、楽天証券に遅れること2年半での追随はあまりにも遅く中途半端に映ります。
ポイントの利便性でも楽天スーパーポイントが圧倒的に勝るのに追随で上回る所もなさそう。
当初は楽天カード積立でポイント還元の影響を軽視して追随する意思もなかったが、楽天証券はこれにより契約者も増やして預かり残高もジワジワと拡大させて来た。
一方、SBIやマネックスもジワジワと楽天に奪われる悪影響を無視できなくなり2年半後に仕方なく追随したということでしょう。
簡単に追随できないのは証券会社の負担が大きいからだと思います。
楽天証券はグループ内の楽天カード決済なので証券会社がカード会社に手数料何%を払おうが、グループとしては楽天カードが顧客に付与する1%の持ち出しだけです。
(これも投信積立なら大きな負担だけどね、JCB/VISA/Masterへの支払分は不明なのでここでは除く)
一方でSBIや楽天は関係が近くても連結対象にはならない提携相手なのでカード会社が付与する0.5%-1%還元以上の決済手数料を負担すると考えるのが自然です。
通常3%程度はかかる決済手数料を投信積立で証券会社が負担すればビジネスが成り立たないのでかなりディスカウントした率で提携していることは間違いないでしょう。
もしかしたら、投信積立に関しては還元分だけの手数料負担にしてもらって提携したかも知れません。
カード会社にとっても大手ネット証券の顧客を自社に取り込める訳で月5万円の積立をする顧客ならそこは儲けなしで提携しても通常ショッピング利用での儲けに期待できると。
(個人投資家の場合は投資額と消費額が逆相関だったりして全然アテにならないのだけど[笑])
ここで1つ疑問なのは、SBI証券ならSBIグループの住信SBIネット銀行がミライノカードを発行しているので三井住友を使わずにグループ内取引でコスト削減できるのにしなかったこと。
SBIグループはそれ以前のSBIカード時代からクレカ事業には弱く規模も小さいので、ミライノカードでは楽天カードに全く対抗できないと自らの弱みを認識した上でブランド力のある三井住友カードと提携したのかも知れませんね。
即追随したとしてもポイントの強さで楽天証券と楽天カード連合が選好されていたと思いますが、更に2年半遅れですからね。
楽天から奪い返すのではなく共存しながらウチでも積立してくれれば良いという考えでも、投信積立だけで3社に月15万円を落とせる顧客は限られるので、優先順位を付けると楽天証券楽天カード連合がトップで優位は簡単に揺るがないように思います。
遅ればせながらやらないよりはマシだし、結果論で言えば2年も待たず可及的速やかに追随するべきだったんでしょうね。
文句ばかりになってしまった感がありますが、各社が競争して顧客が低廉で利便性の高いサービスを利用できるようになることは歓迎です!

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