日本語版のホームページで確認する限りはまだ維持手数料の記述は残っていますが既存顧客には公式に通知されているようです。
米国では維持手数料どころか約定手数料も無料のロビンフッドが躍進しているし、維持手数料という存在が時代に合ってないし競争上不利になると判断して廃止したようです。
私も随分以前にIB証券の開設を検討したことはありますが、この口座維持手数料が最大のネックとなって開設には至りませんでした。
この手数料さえ存在しなければ間違いなく開設して「いました」。
口座維持手数料は毎月10ドル(約千円)なので口座を保有すれば年間では約1万2千円の手数料を必ず支払う必要がありました。
無料に慣れた本邦投資家には高く見えてしまいますね。
しかしながら、月間の約定手数料を差し引けるので売買で毎月10ドル以上の手数料を落とせる人にとっては掛からないのと同じです。
また、口座残高が10万ドル相当(約1千万円)以上あれば免除されます。
手数料をセーブする為に使いたいのに年間1万2千円の手数料を確実に負担させられるのも本末転倒だし、約1千万円の資産保有も敷居が高いですね。
当時は日本の証券会社が日本株取引以外では商品ラインナップで大きく劣っていましたが徐々に改善して、現在は充実したとは言わないまでも大きな不自由ではなくなったのも確か。
それでもIB証券の魅力は現在でも大きいので口座維持手数料が廃止されれば再考してみようかなと思います。
ざっくりメリット・デメリットを纏めると、
【メリット】
・世界33カ国・23通貨へ低コストに投資(国内証券で投資可能な国でも個別株・ETF共に対象銘柄が豊富)
・米国株なら(200株まで)1ドルの約定手数料
・世界各国も0.1%前後の格安手数料(日本株なら0.08%で100万円約定の手数料が800円なら国内証券会社と同レベル)
・為替手数料が激安で両替可能(ドル円なら2ドル)
・配当金自動再投資(DRIP)
・貸株サービス
・国内拠点での日本語サポート(フリーダイヤルはなし)
【デメリット】
・特定口座はなく一般口座での取引
・海外口座なので入金時に最低800円の手数料が発生
・海外口座なので譲渡損失を翌年以降に繰り越しできず、当該年度内の損益通算にも一部不利がある
国内の大手ネット証券が外国株でも特定口座に対応したことが大きいですね。
入金時に発生する手数料は国内ネット証券に慣れていると高いと思ってしまいますが、100万円あたりで0.08%に過ぎないので約定手数料や為替手数料もセットで考えれば許容できます。
100万円を入金してドルに換算する場合に800円を銀行に引かれて200円を両替手数料でIBに取られて約0.1%のコストでドルに交換です。
その後は1ドルの売買手数料で200株まで買えるので国内証券での米国株取引よりトータルでは圧倒的に安い。
米国株のみならず香港株でも手数料が約定代金の0.08%(印紙税等の香港側で掛かる別建てのコストはあり)なので国内証券よりも圧倒的に安いんですよね。
総合的に考えるとIB証券の口座は現状必要ないかなと開設しない方向に傾いていますが、せっかく最大ネックの口座維持手数料が廃止されたのでメリット・デメリットを整理し直してしばらく再考してみようと思います。

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