2021年10月11日

KDDIのpovo2.0登場は通信業界の料金引き下げとサービス多様化への第二幕!?

KDDIが9月29日からpovo2.0サービスを開始しました。
これに伴い、ahamo対抗のpovo1.0サービスは新規募集を止めました。
1.0とコンセプトを大きく変えて、2.0では基本料無料で電話サービス(通話は有料)と最大128Kbpsのデータ通信を提供しつつ、高速データ容量やかけ放題サービスはトッピングで自由に購入するスタイルとなります。

大容量かつ長期のトッピングになる程ギガ単価は下がる仕組みなので、同容量なら前払いシステムで1.0より安く使える改善にはなっているのですが、データ容量を使い切っても1Mbpsの速度を使える1.0に対して、2.0は128kbps以下の低速しか使えないので人によってはデメリットになるでしょう。
1GB未満なら無料で使える楽天やLINEMOで3Gbps税込990円を出したソフトバンクに対抗しつつ、猿真似追随ではなくトッピングという新たな仕組みで独自性を打ち出した点は高く評価できます。

サプライズはKDDIが電話付きの128kbsデータサービス(低速でよければ一応無制限)を無料で提供したこと。
明らかに楽天を意識していますが、povo2.0の最大の貢献は楽天モバイルが1GB未満無料の優遇を止めるハードルを上げたことかも知れません!?(やれば確実にpovo2.0へのシフトが起こる)
1.0を廃止することにより同タイプのahamoとLINEMOに顧客が流出するリスクはありますが、そうしてまでもauやUQからpovoへ自社内移行されることによる単価下落を避けたい意図も透けて見えます。

また、対面応対もあるUQにはpovo1.0の条件に近い「くりこしプランM」があるので、そちらを受け皿にしたい面もあるでしょう。
2.0はオンライン申込でサポートがチャットのみで(問題が多かったのでメール対応も始めていますが)、スマホアプリ内でトッピングを都度購入するシステムは高齢者やITに疎い人には少し敷居が高いと思います。
敷居が高いと自社内移行率が下がって顧客単価が維持されるのでKDDIには好都合な面もあるのですね!?

2.0の何が凄いって、楽天対抗により3大キャリアの1つであるKDDIの携帯電話サービスを基本料無料で持てること、
事務手数料も無料なので待ち受けだけなら本当に無料でずっと使えてしまう・・・と言えば誇大広告になってしまいますが、それに近い。
「180日間以上有料トッピングの購入などがない場合、利用停止、契約解除となることがあります」と注意書きがありますが、内容を理解して視聴する必要もなく半年に1度最安である220円の「smash.」というコンテンツトッピングを購入すれば回避できます。
128Kbps以下のデータ通信(無制限[笑])付き電話サービスの年間維持費はたったの440円になります!

ノートッピングでは30秒で22円の発信通話料が掛かるので、5分以内かけ放題トッピング550円/月を買うのも手ですね。
通話トッピングに関しては都度購入する手間はなく自動更新されるので、半年解約を気にする必要もなく月550円で5分カケホに128Kbps通信が付いてくるなら激安ですね。

KDDIも慈善事業ではないのでトッピングなしの無料で使われることを望む訳もなく、128Kbps以下の無料低速通信の実効速度はその半分程度で非常に遅く出来ることが限定されます。(でも、調子良ければ開始だけ待てばSpotifyの垂れ流し程度は可能だったり!?)
ノートッピングでデータ通信を無料で使うのは多くの人にとってストレスとなるレベルに設定されていますが、実はpovo2.0には無料データ通信を可能にするもう一つの大きな目玉が用意されています!

「ギガ活」プログラムにエントリーして対象店で一定金額以上をau pay決済すると300MBか1GBのデータ容量を後日貰えます!
対象店にはローソンや丸亀製麺・すき家・はま寿司等の外食店、更にはドラッグストアのウエルシア・カインズ・ベイシアも含まれるので普段の生活で薬品・日用品・食品を購入して無駄な買い物をせずにギガを貯めることも困難ではありません。

実は私も楽天モバイルとは別に持っていた回線の乗り換えタイミングでpovo2.0が開始されたので申し込んで使い始めています。
今のところ「ギガ活」のデータ容量だけで賄えているので、楽天モバイルとデュアルでなんと年間たった440円のモバイル運用が修行なく可能なのかにチャレンジしてまた記事にしてみます。

えっ、いつの間にか日本のケータイ料金って世界一安くなってませんか?(笑)
春先のahamo登場により各社が追随したところまでは官製値下げではありましたが、その後にLINEMOが3GBの990円プランを出して今回KDDIがpovo2.0を出したのは競争が激化して守りではなく攻めに転じた結果です。

その後にドコモが「エコノミーMVNO」を発表しましたが、ドコモ店舗で説明受けて契約できるだけで提供するのはOCNモバイルONEであり速度低下も起こるMVNOサービス。
キャリア提供のpovo2.0に対して料金でさえ勝てない内容に思えます。
MVNOへの卸しでは圧倒的なシェアをドコモが握っているので、MVNOが繁盛すればドコモへ払ってくれる回線使用料も増えて共存共栄となるので、ドコモ本体がMVNOから客を奪うような低料金サービスを打ち出しにくい状況があると思います。
その点、KDDIとソフトバンクはMVNO卸しが少ないのであまり配慮することなく低料金プランで攻められるという違いがありますね。

Povo2.0登場は官製値下げから事業者自らの判断による料金値下げとサービス多様化へと進み始めた競争激化の第二幕のように思います。
横並びの同じ料金体系で談合的に利益を守る構造から各社が料金も特徴も変えて独自性を打ち出して勝負する競争に変わって来たと思います。
今後も通信業界の健全な料金サービス競争を期待します!
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posted by 韋駄天太助 at 12:12 | Comment(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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