2023年01月03日

6G標準化で世界に挑み人事制度大改革のNTTは令和の日本再建モデルケースとなるか?

あけましておめでとうございます。ことしもよろしくおねがいします。
新年なので真面目な話を書いてみます。(いつも真面目に書いてますけどね!?)

昨年自分が書いた内容を振り返っても日本の政治経済やその根っこにある国民性への批判が激減したなと感じます。
これは意識的でもあり無意識的でもあるのですが、期待ゼロのところに批判は無意味・無益とも言えるし、「溺れた犬を叩く」のは自分の流儀に合わないとも言えます!?

私が日本の「終わり」を強く感じたのは2021年のコロナ禍に一年遅れで無観客の中行われた東京五輪ですが、1967年との対比で「日出ずる国」とイロイロな意味で「日沈む国」を象徴しているように思えました。
最近はようやく日本人全体の日本国と世界における自分達のレベルに対する現状認識が一致して来たように思います。
(根拠もなく結果も生まないのに優秀だと信じて疑わないとか思い込みたい人が減ったかな?)

アジアの端っこに位置する日本は今後欧州の端っこに位置するイギリス(王室のある島国で日本と似て保守的で決して開放的な国民性ではない)とイタリア(食と財政)とギリシャ(財政!)を足して3で割ったような国になっていくのでしょうね。
(決して悪いこと[ばかり]ではないと思うけど)

おっと、新年からめっちゃネガティブ?起死回生はここからですよ!?
私は今後日本が経済を中心に再建できる可能性があるすれば、その鍵は今後のNTTが握っているのではないかと見ています!
独占事業の国営公社であった電電公社が民営化されて日本電信電話の株式が上場されたのがバブル景気好調な1987年2月でした。
政府が売り出す株で損は出ないと1株百万円を超えるNTT株に個人投資家が群がりました。

87年4月には株価が300万円を超えましたが、ブラックマンデーからバブル崩壊を経て株価は暴落して低迷を続けて、2000年前後には一旦持ち直すものの再度急降下して更に下値を更新しました。
多くの株主が塩漬けして損失を脱したのは30年後の2017年であり、過去30年の配当金を含めてようやく上場時の売り出し価格を上回りました。
30年持って配当込みのリターンがやっとゼロになっただけなので、30年間貯金してなけなしの利子を貰った方がマシだった訳で「投資から貯蓄へ」と日本人を逆回転させ、すぐに売れば3倍だったのに30年持って利益ゼロとか長期投資なんてアホと日本人に刷り込ませることに大きく貢献して来たのがNTT株です!?
まさに日本の失われた30年の象徴であり、お役所体質がいつまでも抜けずに投資家に報いることのない投資価値ゼロの典型的ジャパニーズ駄目メタボ大企業として君臨して来た訳です!?

しかしながら、ここ数年はNTTが矢継ぎ早の改革を断行して株式市場の評価も変わり始めました。
2020年には4兆円のTOBでドコモを完全子会社化することを発表しました。
狙いは複数あると思いますが、NTTが一体となって6Gを推進して世界標準として採用されて覇権を取りたいという意思が強いと思います。
日本国内ではまだ5Gすら繋がる地域は少なく、その次の規格となる6Gなんて2030年目標ではあるのですが、5Gの国内展開すらままならず他国に劣るのが日本の「後進国」ぶりを象徴する現状であり、NTTが推進する6Gで標準化を勝ち取れればメーカー含めて日本経済への恩恵は大きい。
また、東大との共同研究で光量子コンピューターの完成も2030年を目指しています。

iPhoneをリリースする際にジョブズはドコモのiモードを徹底研究して模倣したと言われますが、囲い込み過ぎて閉鎖的なiモードと日本市場に閉じながらどの国よりも(無駄に!?)高度に進化したガラケーを作り続けた日本メーカーはiPhoneとそれに対抗したandroidスマホという黒船に駆逐され世界から取り残されました。
技術やアイデアはあるのに精神構造とやり方や進め方が駄目で野心もなく世界に負け続けるまさに日本の象徴だったNTTグループが反省と失敗を糧に変わろうとしています。

人事制度にも革新的な試みを導入して、21年9月にはコロナ後もリモートワークを基本として転勤や単身赴任もなくしていく方針を明らかにしました。
これを歓迎しない社員はいないと思いますが、一方で22年11月には23年4月から年次要件は廃止し、専門性に応じて昇給・昇格する人事給与制度を導入するようです。
更なるNTTの変身・成長のためにはここに大きな課題と矛盾があります。

「年功序列のない能力・実力主義を望むならNTTを選んで就社しねえよ!」というのが大多数の社員の内なる声ではないでしょうか?(笑)
狐と狸の化かし合いである就職面接では立派な志望動機を取ってつけても、NTTへの本音の志望動機は
・潰れる心配のない親方日の丸企業で
・給与水準もそこそこ良くて
・商社のようなアグレッシブさも求められず
・公務員並みの「安定」
を望み得られるからであって、せっかく「寄らば大樹の陰」に入ったのに若い内から高給を望んでいる訳ではなく、大過なく過ごせば毎年昇給して、挑戦と大失敗を避けて無難に仕事をこなしていれば昇格できるからに決まっている!?

まあ、これが日本を30年沈めて来た精神構造であり、その意味でもまさに日本の象徴!
そうです、日本人の精神性を平均的に凝縮するとNTT社員に近いと思うから、この実験が成功すれば日本社会のモデルケースに成り得て興味深いのです!
伊藤忠商事じゃないし、電通でもないし、トヨタもちょっと違うし、日本人の凝縮平均=NTT社員説です!?

字面だけを見るとNTTの人事制度改革はかなりドラスティックであり、予想から言えば安定大好き社員達がついて来れずに不満を溜めて成功と言える結果に導くことは難しいと思えますが、日本のためには私の予想など是非裏切って欲しいですね。
このような制度変更で足を引っ張るのは評価される側の比較的若い社員達ではなく、旧来の人事制度で特に能力や専門性が優れている訳ではなく第一に年齢の要素で管理職に回っている人達には能力や専門性を公平適切に評価する能力とメンタルが欠けているという矛盾があり、制度を設計し押し進める側にその問題意識が極めて小さいことです。

しかしながら、国内の固定電話市場は今後も縮む一方であり、ドコモ携帯も基本は国内に閉じて頭打ちで周辺事業を拡げるしかなく、6Gの標準化を含めて世界に開いて打って出て勝つためには更なるNTTの変身が必要なのであり、年功序列と安定を求める社員の集合体には無理です。
それはまさに日本経済全体の問題であり、今になって始まった問題でもなく、遅々として30年変わろうとせずに変えられずに先送りしたツケが回ってきているだけだが、もう後がなく30年浸かったぬるま湯も冷えてきて上がるしかなく、日本社会を変えられる一縷の望みはあるのかも知れません!?

そういう意味では、電電公社の民営化から30年も株主に報いることなく、公社体質はようやく抜けても「安定」を求める傾向が強い人種が集まるNTTの改革が成功を示すことで日本全体がバージョンアップする為のモデルケースに成り得ると期待します!
日本人が一足飛びでGAFAMに学べって色んな意味で遠すぎて無理無理!
日本社会は元電電公社が過去30年の失敗と反省に立った上での一歩に学びましょう!

その為なら固定回線解約しても返さないボッタクリ価格税込75,600円の施設設置負担金はくれてやるから、日本電信電話は今後結果で示して下さい!?
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posted by 韋駄天太助 at 19:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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