申告する方は株式の配当や譲渡益に対して単純に分離課税20.315%の税率とはならないケースも多く、12月に損益調整したにも関わらず想定の納税額や還付金とは大きくズレてしまうこともあり得ますね。
単純な計算ミスだったり、控除が抜け落ちていたり、単に税制の理解が間違っていたり・・。
令和4年分は既に終わって調整不能なので来年以降の確定申告に向けての対策になりますが、私はこのようなズレを防ぐために12月中に余裕があればe-Tax(Web上の確定申告書作成コーナー)で確定申告書を作成して事前に税額計算チェックをしています!?
はあ?
そうです!翌年にならないと当該年の確定申告書は作成できないので単に税額計算させるためだけにダミーの確定申告書を作るのです!
昨年12月なら令和4年分はまだ作成出来ないので、令和3年分として申告したファイルを残していると思うので、これを読み込んで令和4年分のデータに入れ替えて名前を変えて保存してシミュレーション用のファイルを作成しましょう。
そうです!翌年にダミーでない真の確定申告書を再作成する必要があるので二度手間にはなりますが、ラクして真の税額を確認する術はないのでやるんです!
とは言ってもe-Taxは年々使い勝手が向上しているし、やり方次第では二度手間という程の労力は掛かりません。
私はExcelでも計算させた結果とダミーのe-Tax税額計算の結果を照合しつつ損益最終調整をします。
但し、令和4年分から適用される税制変更は令和3年分の確定申告ベースでは反映されていないのでその点だけは注意です。
二度手間にならないよう簡単にダミー申告書を作成するポイントはシステムが最低限必要とする項目だけを入力して次画面に進みつつ、明細毎ではなくなるべく大括りの数字を入力して完成させること。
例えば、配当金(分配金)なら銘柄名は「日本株まとめ」「外国株まとめ」「日本株投信」「外国株投信」「調整値」等と大括りにして合計額を入れていきます。
配当控除があるもの、外国額税があるものが分かれていれば税額計算上の支障はないので、申告するかしないか判断保留している明細を「調整値」に括って結果の税額を見ながらここをシミュレーション用の可変値にします。
支払の取扱者の名称等も必須入力になるのですが提出する訳ではないので真面目に入れずに「あ」とかで済ませてなるべく簡単に!?
明細まで一通り作ってしまってこのファイルを令和4年分の確定申告書作成時に読み込めば無駄にならないと思うかも知れませんが、金額は全部消されるし明細も残らない場合もあるので止めた方がいいです。
単なる明細の足し算引き算チェックだけならExcelでしっかりやった方が良いです。
譲渡益税で特定口座年間取引報告書を入力する時も2-3社ならそのまま入れても良いですが、複数あるなら必須入力項目となる証券会社名に「プラス」「マイナス」「調整値」等と入れて源泉徴収済で益が出ている証券会社合計と損失が出ている証券会社合計に分けておきます。
「調整値」には損益調整でこれから確定させる予定金額を入れて税額をシミュレーションできるようにしておきます。
その他に給与や控除等の情報も税額計算に必要な情報だけを大括りに入れて文字入力は「あ」等で済ませて簡単にダミーの確定申告書を一旦作成しましょう!
後は未確定の損益となる譲渡益や申告する・しないの配当金額を「調整値」としてシミュレーションしてe-Taxで真の税額を確認してExcel計算結果と照合しつつ年末の益出し・損出し作業を進めれば完璧です!
e-taxで税額をシミュレーションしながら弄ってると細かい税額計算方法や税制に対する理解も深まるメリットもあります。
せっかく便利な道具がWeb上で国民に等しく与えられているのだから、単に紙の代わりに確定申告書を作成して提出する道具としてではなく有効に活用させて貰いましょう!?

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