2023年12月15日

一般NISAから新NISAつみたて枠に手動ロールオーバーする具体的手法を考える!

一般NISA(簿価120万円x5年間)は非課税期間を順次2023年から2027年までに終了することになります。
新NISAつみたて枠を最大で使えば簿価600万円(=120万円x5年間)を2024年から2028年の最速5年間で埋められます。
簿価と期間5年は一致しているので、手動ロールオーバーを行うにはええ感じのように思えますね!?

よって、旧一般NISAから新NISAつみたて枠に手動ロールオーバーする方法を考えてみますが、考え方はより簡単な成長投資枠への移管でも、特定口座から移管する場合でも応用して活かせると思います。

(a)毎月積立時に一般NISA終了年分をロールオーバーする場合
まずは一番わかりやすく簡単な方法から。
つみたて枠で開始年の2024年から毎月積立10万円で設定して、2024年終了分(2020年投資枠)の一般NISAからロールオーバーします。
同じ商品なら一般NISAで単純に毎月10万円の売却注文を積立日に合わせて出すだけです。
(類似でも商品が異なる場合は約定日も一致していることを確認し、異なる場合は約定日を合わせます。)
一般NISAで含み損の場合は埋め切れなくなるので、一般NISA翌年分や特定口座や手持ちキャッシュから補充します。
一般NISAで含み益の場合は余った分を成長投資枠にロールオーバーするか、特定口座に移すか、普通に売って現金化しましょう。
この方法のメリットは2024年から4年間は完全非課税でロールオーバー可能なこと。
デメリットはわかると思いますが、一般NISA23年終了分と28年積立枠が宙に浮くので、それは好きに処理してと言う他ありません!?
1つの解決策は次の方法になります。

(b)毎月積立時に特定口座に移した一般NISA前年終了分をロールオーバーする場合
2023年に終了する一般NISAを2024年のつみたて枠にロールオーバーできれば綺麗に120万円x5年分の移動が完了するのですが不可能です。
よって、一般NISAで23年には売らずに特定口座に移して24年つみたて枠にロールオーバーすることを以降2028年まで繰り返すことで、間接的にワンクッション置いた5年分の移管が可能になります。
方法は(a)と同じで移管元が一般NISAから特定口座に変わるだけで毎月の積立日に10万円売却していくだけです。
デメリットはもうわかると思いますが、特定口座なので実現損益が発生して徴税となる場合があります。
しかしながら、年間で移管する金額は120万円であり特定口座に移された年初時点では損益ゼロから始まるので毎月10万円x12カ月の売却損益の幅はたかが知れてるでしょう!?
このデメリットとトレードオフにはなりますが、多少の実現損益を受け入れることで一般NISA5年分を新NISAつみたて枠最短5年分に丸々突っ込んでいくことが可能になります!

(c)年初ボーナス設定に一括で一般NISA終了年分をロールオーバーする場合
わかりやすく言えば、年12回ロールオーバーする必要のある(a)の方法を年1回で終わらせる方法です。
非課税枠から非課税枠への移行なので基本的にいつ行っても構いません。
一気に120万円分移すことも可能だとは思いますが、「つみたて枠」の主義主張に背かないためにも(!?)毎月100円積立の基本設定にボーナス枠119万8800円を使う前提で話を進めます。
24年年初にボーナス日を設定すれば23年12月中に注文を出してロールオーバーできるので、これを例に取ります。
移管元は一般NISA24年終了分なので、一般NISA23年終了分は好きに処理して下さい。
SBI証券の場合、新NISAつみたて枠でボーナス月の金額を119万8800円、設定日を1月1日にすると発注予定日は「2023/12/30」と表示されます。
大発会の前営業日が大納会となるのでこのような表示になりますが、注文が受け付けられには翌年1月4日の大発会になります。
よって、大納会後から大発会の15時までに一般NISA24年終了分に119万8800円の売却注文を出せば一括のロールオーバー完了です!
毎月積立の計1200円分は枠0.1%分の誤差なので普通に積立して枠を埋めましょう。
デメリットは(a)と同じで移管できるのは一般NISA4年分で5年目のつみたて枠は空いてしまうし、一般NISA23年終了分は宙に浮きます。
メリットは(a)と同じく4年間非課税でのロールオーバーが可能な上に手間を年一回で終わらせることが出来ます!

(d) 年初ボーナス設定に一括で特定口座に移した一般NISA前年終了分をロールオーバーする場合
わかり易く言えば(b)の年一括バージョンでやり方は(c)と同じなので細かくは説明しません。
この場合のメリットは手間が1回で済むだけではなく、毎月積立よりはデメリットとなる実現損益を小さく抑えられる可能性が高いこと。
一般NISAから特定口座に払い出されると年末最終営業日の時価が取得価額となるので、年初にロールオーバーする場合には約定日となる大発会の翌営業日までの価格変動(x20%=税額)に限定されます。
この方法なら実現損益発生のデメリットはあっても、一般NISA5年分を年1回の手間で最短5年でつみたて枠にロールオーバーできるので個人的にはベストかと思います。(私はやらないけど!?)

<参考> (e)年初ボーナス設定に一括で一般NISA前年終了分を非課税で似非ロールオーバーする場合
誰もが考える方法だし実行する人も多いと思いますが、一般NISAで年末ギリギリに売って年初に新NISAで買い直せば課税なしで5年分をキッチリ移管できますが、買いタイミングは一致しないのでロールオーバーにはなりません。
成長投資枠に移管する場合は受渡日が大発会となる12月中の該当日に買い注文を出し、一般NISAでは大納会が受渡日になる日に売却注文を出すことで価格変動(約定日のズレ)を最短1営業日に収めることも可能ですが、つみたて枠は積立日が2024年中になるので年末年始の価格変動をモロに受けてしまいロールオーバーとは言えないと思います。
年末年始を挟むと日本は休んでいますが、海外市場は動くし売り買いの価格差が想像以上に開くこともあります。
それでも良ければ、一般NISAで大納会受渡となるよう119万8800円の売り注文を出し、つみたて枠のボーナス年初設定で大発会翌営業日の同金額約定で似非ロールオーバーは可能ですね。

個人的には(d)の方が実現損益は発生するものの、売りと買いの価格差は生じず、年末年始で大きく約8%動いたとしても実現損益は10万円以下で課税は発生しても2万円程度と見積もれるので(e)より良い方法だと思いますけどね。
(成長投資枠に移管する場合でも特定口座に払い出された年初に売り買いの注文を合わせてロールオーバーした方が良いと思いますね。課税は1万・2万のレベル!)

(a)(b)の毎月積立でのロールオーバーはメリットが少ないように思えますが、一括では貰えないクレカ積立ポイントを貰いながらロールオーバーしたい人はいるでしょう。
また、ロールオーバーで売却資金を購入資金に充てることはできないので、一時的に購入資金を賄うキャッシュが必要になります。
一括で100万円はなくても月に10万円以下なら向こう一週間の生活費だけ残しておけば直ぐに売却資金は入って来るので資金繰りがやり易いという人もいるでしょう!?

これらの方法を実行したい人はご自身でしっかり消化して下さいね。
アイデアや理屈を書きましたが、各証券会社の独自ルールや運用方針による制約を理解している訳ではなく、クリスマス前後は投信の休場日設定も多く、スケジュールに余裕を持って約定日と受渡日を事前に確認しながら注意深く注文を行う必要があります。

一般NISAから新NISAつみたて枠へのロールオーバーを理解できれば、「特定口座から」でも「成長投資枠へ」でもロールオーバーの実行はより容易なはずです。
一般NISAの人は23年終了分をどうするかはもう方針決めなきゃいけないし、24年初からロールオーバーするならもうスケジュールに余裕はないので急ぎつつ計画的に行きましょう!
ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村
posted by 韋駄天太助 at 15:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 全般共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

にほんブログ村 為替ブログへ←参考になりましたら一押し。m(._.)m

コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック