いかにも中国株価低迷でMSCIも遂に動いたみたいに報じられていますが、それが嘘ではありませんが四半期に1度の定期的見直しにおいて行われることで、日本もコーセー含む8銘柄が除外されてスクリーン1銘柄追加の7銘柄減です。
中国も5銘柄が新たに追加されますが、ACWIの中国株組み入れ銘柄数は765銘柄から704銘柄に減り国別構成比は下がることになります。
中国で減った分は131銘柄から136銘柄に増えるインドがほぼ吸収することになりそうです。
ACWIにおいて新興国株組み入れ変更が行われるということは、MSCIエマージング指数にも同じ変更が加えられることと同義だと思います。
つまり、今回の中国減インド増の影響はMSCI指数に連動するオルカン等の全世界株式ファンドにも新興国ファンドにも影響を与えることになります。
大和証券の分析では、エマージング指数において
中国構成比 :0.31ポイント減の24.8%
インド構成比:0.34ポイント増の18.16%
になるようです。
中国比率が劇的に下がるような組み入れ変更ではありませんね。
eMAXIS Slim新興国株式の1月末レポートを参考にすると、ケイマン諸島経由を全て中国株と仮定した場合に、
中国構成比 :24.1%
インド構成比:17.0%
となりますが、中国は既に組入変更後を下回ってしまうしデータが整合しているのかは不明ですが、ザックリ1%は誤差と考えれば(!?)まあこんなもんでしょう。
インドが新興国指数の中で台湾韓国を追い抜いた後に差を広げてシェア2位の地位を固めつつあり、中国に徐々に迫りつつ新興国指数を代表する二枚看板にまで伸し上がって来たと言えるかも知れません。
オルカンに与える影響は1月末レポートを参考にすると、新興国比率が9.8%なので国別構成比では中国2.4%、インド1.7%まで下がるので極めて軽微です。
全世界ベースでは国別構成比でザックリ中国0.03%減少でインド0.03%増加となる組入変更に過ぎません。
しかしながら、全世界ベースでもインドはオーストラリアと同程度の組入比率でトップ10入りしてドイツ構成比2.0%に迫りつつあり、世界の株式市場でも既に主要国の1つであることは確かです。
インデックスファンドの組入変更は保有する投資家にメリットもデメリットももたらすと思います。
メリットはファンド内で銘柄や国別変更してくれるので投資家はホールドしたまま課税が発生しないこと。
これを自分で直接投資して定期的にポートフォリオを見直して中国減らした分インドを増やすとかやると課税が発生してしまいますからね。
デメリット@は時価総額増減の後追いで動きが鈍重であること。
本来はインドの時価総額増加が他国より期待できると判断して「事前」に資金を投下するのが「投資」です。
こんなタイミングで安い中国株を売って高いインド株を買うとか思考停止ですか?(それがインデックス投資!)
当たるかはわかりませんが、ゴールドマンサックスは中国株が年末までに24%上昇と予想していますが、少なくとも売るならもっと前にやるべきですが判断放棄で後追いのインデックスは高く買って安く売るのが必然となります。
デメリットAは銘柄入替事前公表で自ら不利な方向に市場価格を誘導すること。
今回も2月29日の実施で全入替銘柄を公表しています。
売却銘柄はどうぞ先に売って価格を下げてください!購入銘柄はどうぞ先に買って価格を上げてください!と言ってるのと同じですね!?
入替銘柄だけの変動でファンド全体に与える影響は軽微なので好きにどうぞってところでしょうが、損させられているのは無駄に安く売ったり高く買ったりのインデックスファンド保有者であることは確かです。
そうは言っても、時価総額の後追いでも四半期ごとに銘柄入れ替えながら投資家には課税が発生せず適宜可変の時価総額比で長期保有できるのはインデックスファンドの大きなメリットですね。
ということで、今回の銘柄入替自体はセンセーショナルな見出しと比べて軽微ですが、トレンドとしては認識しておいた方が良いですね。

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