連動対象となる「S&P500トップ10指数」は、S&P500指数のうち時価総額上位10社の株式で構成される株価指数で、毎年6月に構成銘柄の見直しを実施して、年4回構成比率の調整が行われるとのこと。
一言で言えば、S&P10指数でありS&P10ファンドです!
このファンドの最大評価ポイントは何と言っても驚愕の低信託報酬0.10725%(税込)!
10社程度しか組み入れないのにS&P500連動のslim米国0.0937%を上回るコストで別に安くもないと思うかも知れませんが、イヤイヤありえない低コストです!
競合ファンドと想定されるマグニフィセント7銘柄に投資するだけの「米国大型テクノロジー株式ファンド」が税込0.594%、NISAつみたての対象で10銘柄に投資するだけの「iFreeNEXT FANG+インデックス」がボッタの税込0.7755%に対してこの信託報酬設定です!
おそらく0.3%程度の設定でも充分に資金を集められるところをコストベースに基づき極めて良心的な価格設定をした日興AMを高く評価したいですね。
素人目線では500社を売買して入れ替えるファンドより、たった10社を売買して入れ替えるファンドの方が圧倒的にコストを抑えられる筈であり、個人的には10銘柄程度で信託報酬0.5%を越えるのはとんでもないボッタと見做しますね。
私はM7ファンドについては個別株を買う方がコストメリットもあり不要と判断しましたが、S&P10ファンドかつ低廉なコスト水準ならメリットがとても大きいと考えます!
@10年以内保有ならファンドの方が低コストかも?
ネット証券でもNISA枠外なら米国株の手数料は高く為替手数料と合わせて往復で1%超のコストは見ておく必要があります。
それならS&P10ファンドを10年保有しても約1%の信託報酬支払いであり、ファンド内容からその他経費が大きく膨らむことも考えにくく、長期保有目的の個別株でなければS&P10ファンドの方が気軽に売買できそのまま長期保有になってもコストは膨らまない!
Aファンドの方が配当金の非課税再投資で有利!
配当しない企業も多く含まれ配当金利回りは高くない筈ですが、ファンドなら外国税は引かれるものの日本側の源泉税はかからずに内部で再投資されます。
個人によりニーズは異なりますが、課税後の配当金受け取りを望まない人には個別株よりS&P10ファンドを買う方が良いかも知れません。
連動対象が(税引後配当込み、円換算ベース)となっているので、インデックスファンドですし無分配方針と推測されます。
B意思もなく毎年米国トップ10銘柄選ぶだけのノンポリファンド!
褒めて書いたつもりですが(笑)、類似のM7やFANG連動とコスト以外にも差別化されているのがこの点。
今はS&P10にM7が含まれますが、このファンドはM7に投資する為の道具ではありません。
これからは生成AIだ!M7の最強は不変だ!これからはエヌビディアだ!いやイーライラリーだ!といった思い入れも考えもなく、ただただ毎年時価総額トップ10を組み入れていくだけです。
24年2月末の指数構成銘柄はM7 + バークシャー + ユナイテッドヘルス + J&Jなので、これでは単なるM7ファンドと言われても仕方ありませんが、時価総額がそうなってるだけで知ったことではないんです!?
では、2015年12月末のS&P500指数構成上位10社を見てみると、AFAM(グーグル含まず4社)+ バークシャー + J&J + エクソン・GE・ウェルズファーゴ・JPモルガンと顔ぶれは変わり、M7のうち9年前も含まれていたのは4社になります。
では、9年後のM7はどうでしょう?
そんなことは関係なく、S&P10ファンドは9年後には9年後の時価総額トップ10を淡々と組み入れるだけであり、9年後のトップ10を当てられる人にはこんなファンド必要ないので個別株を全力買いしましょう!
トップ10銘柄追いを個人でやると毎年銘柄を入れ替えて都度課税が発生しますが、ファンド内部で行ってくれて常にトップ10銘柄を組み入れながら投資家の側にはファンド売却まで課税が発生しないことは大きなメリットになります!
ということで、個人的には評価ポイントが多くて高いファンドですね。
「Tracers S&P500トップ10インデックス(米国株式)」ファンドはかなり人気化するのではないかと思いますが、それも納得の内容だとは思うものの慎重に行くなら実際のパフォーマンスと総経費率実績等がわかる1年程度は待っても良いですね。
個人的にはS&P10ファンドよりM7やFANG+ファンドを選ぶ理由はコストの面でも内容の面でもないことになります。

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